WRC2022/12/21

タナク、新シーズンの挑戦が困難なのはわかってる

(c)M-Sport

 Mスポーツ・フォードで新シーズンを迎えるオイット・タナクは、2度目のワールドチャンピオンの獲得に向けた戦いは「厳しくなることは間違いないだろう」と語っている。

 エストニア・メディアの「Betsafe」のインタビューで、2019年の世界チャンピオンは、Mスポーツはライバルに比べると資金力は劣るものの、相変わらずモチベーションの高さがあるため、速さを見せることができそうだと語っている。

「もちろん、これから学ぶべきことはたくさんあるが、チームのみんなはとても意欲的で、チームはかなり小さいけれども、自分たちがやれるということを証明したいと思っている。このチームには、このスポーツにかける情熱と精神がとても強いことはわかっているが、相変わらずモチベーションの高さが感じられたよ」とタナクは語っている。

 タナクが来季のスタートで不利な状況にあることは確かだ。彼は1日だけMスポーツが所有するグレイストーク・フォレストのテスト拠点でグラベルにおけるプーマRally1のテストを行ったが、ラリー・モンテカルロやラリー・スウェーデンなど新シーズンに向けた路面コンディションを1メートルも走らないままシーズンに突入することになる。

「トヨタのときだって、1年目で競争力をつけ、タイトルを獲得に近づくことは可能だった。ある程度、他の人より弱い立場であることが、モチベーションにつながるのかもしれないし、努力で状況を好転させることが可能であることもわかっている。それには、ドライビングとチームが非常に高いレベルにあり、誰もが自分のやっていることを理解していることが重要になる」

 タナクは、契約の途中でヒョンデを離脱したのは実力を証明してもナンバーワン・ドライバーになれなかったことが原因だったのかと聞かれ、次のように語った。

「ヒョンデでナンバーワン・ドライバーになりたいとは思っていたわけではなかった。僕の狙いは、チームを機能させ、正しい結果を出すことだった」とタナクは語った。

「もちろんチームメイトから応援されたわけではなかった。(ヌーヴィルには)何の恨みもないが、スポーツはスポーツだ。勝ちたければ皆に勝たなければならない」

「ヒョンデの3年間は、どれもちょっと大変だったが、とくに今年はチーム内の状況があまりにも厳しかった。アスリートが成功しようと思ったら、気持ちよくプレイしなければならない。それなのに、あまり気持よくはなかったね。とくにチームでの最後のラリーは、ちょっとした義務感で走っていた」