WRC2019/08/10

タナク、次戦ドイツ後にもトヨタ残留を決定か

(c)Toyota

 オイット・タナクは、今月末のラリー・ドイッチュランド後にもトヨタGAZOOレーシングWRTに留まる新たな契約を結び、彼の未来に関する憶測に終止符を打つことになりそうだという。

 Mスポーツからトヨタに移籍して 2シーズン目を迎えているタナクは、これまでにヤリスで8勝を飾っている。昨季は後半に相次いで勝利を獲得したものの、いくつかの不運が響き、惜しくもタイトルを逃しているが、先週末のフィンランドで今季4勝目を挙げてドライバーズ選手権で22ポイント差をリード、初タイトルにむけて一気に加速している。

 Mスポーツとヒュンダイはどちらも2020年にタナクと契約することに関心を表明したが、英オートスポーツはタナクが望むのはチャンピオンになれるチームと契約を続行することであり、ドイツに勝利すればトヨタ残留が決まるのではないかと報じている。

「僕たちは非常に真剣に議論している。まだ決まっていないが、解決策が見つかることを願っている」とタナクは語った。

「僕は早く決断を下したい。これからたくさん交渉があるだろうが、ドイツの頃には決まっていると良いね」

 トヨタGAZOOレーシングWRT代表のトミ・マキネンは、ラリー・フィンランドでタナクがゴールを迎えるや、久々にヤリスWRCのルーフに駆け上がり、この勝利をともに喜んでいる。彼は、タナクをチームに引き留める自信があるかどうかを尋ねられ、次のように答えた。

「その質問には、イエスと言えるだろう。ドライバーの観点から考えても、このパッケージは彼が選手権を狙ううえでも非常に安全だ。彼はマシンと非常によく結びついており、何かを再び学ぶ必要はない」

「彼はあらゆるコンディションでヤリスをドライブする方法を正確に知っている。新しいマシンに変更すると、もう一度学ぶ必要がある。すぐには速く走れない。新しいマシンで速く走る方法を学ぶには常に時間がかかる。その点、トヨタでは自分の仕事に集中するだけだ。トヨタと一緒にいることが最も彼の成功を保証する方法だろう」

 タナクのほかのトヨタの現在のラインナップは、クリス・ミークとヤリ-マティ・ラトバラがいるが、2人共にその将来は不確実と言われている。18歳のカッレ・ロヴァンペラが、来年WRCでトヨタのシートを確保していると言われているだけに、チームがタイトルに狙うためには安定したセカンドドライバーを含んだラインナップの再構築が必要になりそうだ。