WORLDWIDE2020/11/16

タナク、母国ケハラ・ラリーで優勝

(c)Hyundai

 ヒュンダイ・モータースポーツのオイット・タナクは、母国エストニアで開催されたケハラ・ラリーにヒュンダイi20クーペWRCで参戦、フォード・フィエスタWRCで参戦したエストニアのトッププライベーター、ゲオルグ・グロスに1分22秒あまりの大差をつけて優勝を飾っている。

 エストニアのローカルイベントであるケハラ・ラリーは11月14日にワンデイイベントとして行われ、現地時間の9時前にスタートし、9SS/56.91kmを走行して16時前にゴールするショートイベントだ。

 ケハラ・ラリーには、タナクだけではなく、ヒュンダイ・ジュニア・ドライバーのオーレ・クリスチャン・ヴェイビーがヒュンダイi20 R5でスタート、地元のドライバーたちを抑えてR5クラス優勝を飾っている。

 タナクは、なぜこのような母国ローカルのイベントにヒュンダイi20クーペWRCを駆って出場するのか聞かれ、ラリーを主催した地元のカークラブとエストニア・オートスポーツ連盟を支援するために参戦したと語っている。

「このイベントの背後には、エストニアの地元主催者がコロナ下におけるモータースポーツに対して新しい解決策を見つけるのを助けるというアイディアがあった」とタナクは語った。

「今は世界の情勢が複雑なので、より少ない予算で、よりコンパクトにラリーを開催する方法を見つけなければならない」

 今回のケハラ・ラリーを開催した主催者はヴィル・ラリーの主催者でもある。ヴィル・ラリーはロックダウンが解除されたあとエストニアでいち早く選手権を再開させたラリーであり、タナクはラリー・エストニアの前哨戦としてヒュンダイi20クーペWRCで参戦、優勝を飾っている。

「彼ら主催者とエストニア・オートスポーツ連盟は、未来のためにイノベーションを起こす必要性を理解しており、それを実現しようとしている。我々は皆、ウイルスの状況がいかに極端なものであるかを理解している。今すぐに通常のラリーに戻ることはできないが、これらの主催者と一緒に、安全で費用対効果の高いイベントを開催する方法を見つけることができた」

 ケハラ・ラリーはタリン東部にあるラクヴェレのラリークロスサーキットを拠点として、サーキットと周辺の林道ステージを組み合わせて使用し、コンパクトでありながら競技にふさわしいステージを確保している。

「もちろん主催者や連盟を助けるだけでなく、僕にとってもクルマに戻れるのは嬉しいことだった。以前と同じように、今はかなり長い間運転していなかった。天候が冬に変わる前に走れる最後のチャンスだったからね」