WRC2017/08/22

タナク、2度の勇気あるタイヤ選択が勝利の決め手

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 オット・タナクは、タイヤチョイスのギャンブルを2度にわたって成功させたことがラリー・ドイッチュランドでの優勝の決め手になったと語った。

 最初のギャンブルは金曜日の午後、突然雨になったときだった。首位を争っていたセバスチャン・オジエやティエリー・ヌーヴィルが未知数だったレインタイヤを嫌いソフトタイヤを選んだときに、タナクはレインタイヤを3本チョイス、SS6ではコースオフしながらもベストタイムを奪い、午後のループで二人に対して30秒近い差をつけた。

 2回目のギャンブルは土曜日の朝だった。初日を終えて首位争いではアンドレアス・ミケルセンとタナクが飛び出す形になったが、前夜の雨の影響を懸念したミケルセンが4本ともソフトタイヤを選んだのに対して、タナクはハード2本とソフト2本の組み合わせを成功させ、ミケルセンを突き放す最初のきっかけを成功させている。

 タナクはタイヤチョイスには勇気が必要だったと戦いをふり返った。

「大荒れの天候と道路上の多くのダートで非常に難しいスタートを迎えたトリッキーなイベントだったが、そのなかで僕たちは勇敢なタイヤの決定をした。チームの皆が反対した時もあったが、それは非常にうまくいった。タイヤの選択がラリー全体を決定したと言っても過言ではないだろう」

 これまでパンツァープラッテのロングステージで誰もがセバスチャン・オジエに勝てなかったが、タナクは今年、その最初に走行においてリヤタイヤのトレッドが剥離する問題を抱えながらもオジエからわずか0.4秒差遅れのタイムを出したときに優勝への自信をもらったと語った。

「サルディニアでの優勝経験が僕の自信になっていることは確かだが、それ以上に、今回はパンツァープラッテのロングステージの1回目の走行で、僕がセブ(・オジエ)に追いつくことができたことが重要だった。その後は、もう少し快適に感じた。彼はこれまでそこでかなり速かったからね。その後、僕たちはペースを維持することができた」

 ヤリ-マティ・ラトバラとのドライバーズ選手権3位争いをしていたタナクは、この優勝でラトバラに対して21ポイント差をつけるとともに、選手権2位のティエリー・ヌーヴィルにも16ポイント差に迫っている。

 タナクはパワーステージではペースを落としてフィニッシュしており、最初からボーナスポイントを狙うリスクを冒すつもりはなかったと語った。

「確実に優勝することだけを選んで、パワーステージのことはあまり考えなかった。僕らは賢明でなければならなかった」とタナクは語った。

「しかし、選手権はわからなくなった。僕たちは前にいる2人に近づくことができた。ラリーは残り3戦だが、ギャップはそれほど大きくないので、何が起こるか見てみよう。最後の瞬間までは決して終わりではないし、僕たちはベストを尽くすつもりだよ」