世界ラリー選手権として初開催されるラリー・チリ。2日間にわたるレッキを行ってペースノートを作成したドライバーたちは、林道ステージの多様な変化や待ち受けるチャレンジについて熱く語った。
多くのドライバーたちは、ラリー・チリのホストタウンとなるコンセプシオン近郊に設けられたグラベルステージについて、フィンランド、オーストラリア、英国に類似していると語っており、ワールドチャンピオンのセバスチャン・オジエもステージの素晴らしさを賞賛した。
「美しいステージのようだね。ほとんどが素晴らしいコンディションで、ほとんどの場合がスムースな路面だった。ハイスピードのステージもあり、特に土曜日についてはそうだ。でも、いくつかのパートは非常にテクニカルなところもある」
トヨタのオイット・タナクは、材木を運搬するトラックがふだん走行する固く引き締まった路面をもつ林道のスムースなキャラクターに驚いている。
「南米に来るなら、ラフなコンディションとチャレンジングなステージを覚悟するものだ。もちろんここのステージもチャレンジングでそれらのリズムは常に変化しているが、とてもいいステージだ」とタナクは語った。
「たぶん最もいいステージは日曜日だね。そこでの道はかなり狭いが、ジャンプとクレストがたくさんある。ラリーはいくつかかなり低速のセクションで始まり、徐々に速くなり、どんどん速くなっている」
木曜日のシェイクダウンでベストタイムを記録したヒュンダイのアンドレアス・ミケルセンは、イベント最長となる金曜日が最もタフになると指摘した。
「いい結果のためには金曜日が鍵になる。ステージはかなり滑りやすいようだし、雨が降ると天気予報は伝えている。早い走行順の方がアドバンテージがあるかもしれない」とミケルセンは語った。
タイムを縮めるためにはコーナーをインカットして走りたいところだが、ミケルセンは、できそうに見えるコーナーの多くには注意が必要だと警告した。
「危険な岩や切り株がすごく見えにくいんだ。道の両側には下草があるが、その下に何があるのか分からない。カットすればコーナーを速く走ることができるが、そこに何があるかは誰にも分からないが、たった1回のミスでラリーは終わってしまう」
また、ヤリ-マティ・ラトバラはスムースでフラットな路面を絶賛、危険を要するブラインド・クレストはあるが、ドライビングを楽しめそうだと語っている。
「金曜日の最初のステージはポルトガルを彷彿させる、そして2つ目のステージはニュージーランドにいる感じで、3つ目のステージはニュージーランドとウェールズのミックスだ。土曜日はドライコンディションのラリーGBにオーストラリアのオープンなステージと、キールダー・フォレストの要素がちょっと加わったような感じ。日曜日にはフィンランドとウェールズといった具合だ。全体にさまざまな国が体験できる」
「ステージは荒っぽくないし、ベースがしっかりとしているから、僕たちは、クルマの状態や衝撃を気にしながらではなくドライビングに集中できる。純粋にラリーそのものだ! ブラインドなクレストもいくつかあって、特に日曜日にはかなりヤバそうなのも控えている。近づいてきて何も見えない、そこから突然道路が現われて、ブレーキングポイントを見つけるのが困難だ。僕のペースノートには『危険』として記してある。こういうのが2つあるんだ!」