Raid2017/07/21

デプレが砂丘でスタックも首位をキープ

(c)Peugeot

 シルクウェイ・ラリーは残り2日となったが、チーム・プジョー・トタルのシリル・デプレとデビッド・カステラが2位につけるブライス・メンジーズ(MINIジョンクーパーワークス・ラリー)に対して45分差をつけて総合リードを維持している。

 ゼッケンナンバー100のプジョーDKRを駆るデプレは、木曜日の第12ステージで砂丘で立ち往生したものの、ステファン・ペテランセルとジャン・ポール・コトレのサポートによってコースに復帰、さらにその数km後にはパワーステアリングを失ったものの、チームメイトに背後から見守られながら20分30秒遅れてこのステージを8番手でフィニッシュ、総合タイムではわずか11分を失うに留まった。

 今夜のビバークでは、チーム・プジョー・トタルのメカニックたちがマシンを丹念に整備するが、明日は再び複雑な砂丘が待ち受ける非常トリッキーな一日となるため、ドライバーたちは体力を回復して集中して臨めるよう休息をとる。

「ラリーはまだ終わっていない。僕たちがスタックしたとき、油圧が漏れ、ジャッキとパワーステアリングが動かなくなった。僕たちは停止して修理しようとした。僕とデビット、ステファン、ジャン・ポールの4人全員で必死に解決策を探したが、結局見つけることは出来なかった。通常では1分ほどしか失わなかっただろうが、砂漠の真ん中ではそう簡単ではない。まだ砂丘が約45km残っていたので、僕たちの唯一の選択肢は、フィニッシュまでなんとか辿り着くことだけだった。マシンの重さは約1.5tあるので、パワーステアリングなしでドライブすることはかなり大変だった。腕と手が痛いが、今ここに居られてとても嬉しいよ。そして、チーム・プジョー・トタルのメカニックたちはすでにこの問題の解決策を見つけている。僕たちはもし別の問題も起きていたら何時間もスタックした可能性があることを知っていたので、精神的にかなりきつかった。正直に言って、僕のこれまでのキャリアの中で最も厳しい一日の一つだった。明日はまっさらなページからスタートできることを楽しみにしている」とデプレは語った。

 ゼッケンナンバー106のプジョーDKRを駆るペテランセルは、デプレのタイムロスを極力減らすために彼をサポートし、このステージを10番手で終えた。彼らはフィニッシュに向けて再び素晴らしいチームワークを発揮した。

「すべて上手くいっていたが、砂丘の上でシリルがスタックした。僕たちは彼を助けるために停止した。それは大きな問題ではなかったはずだったが、ジャッキを使う過程で、パワーステアリングと同じ油圧システムを介したので、パワーステアリングがその影響で損傷したのだと思う。そしてこういったマシンでパワーステアリングが失われてしまうと、それは大問題だ。だから僕たちは、彼がステージの最後の50kmをそれ以上の問題を抱えることなく通過できるように、彼の後ろを走った。僕はプジョーが首位で西安に辿り着くことを助けることができて、ハッピーだよ」とペテランセルは語った。

 シルクウェイ・ラリーは残り2日、明日は最後のヤマ場となり、「砂丘の大聖堂」として知られるモンゴル自治区のアルシャー右旗から中衛までの総走行距離690.31km、競技区間318.66kmで行われる。