WRC2020/11/26

トッドFIA会長が2年半ぶりケニアを訪問

(c)Safari Rally Kenya

(c)Safari Rally Kenya

 FIAのジャン・トッド会長は、世界ラリー選手権の復帰が待ち望まれるサファリ・ラリーの準備状況を確認するために火曜日から3日間にわたってケニアを公式訪問している。

 トッド会長は、2年半前にナイロビを訪れた際にはWRCのケニア招致プロジェクトの後援者であるウフル・ケニヤッタ大統領とも会談を行っており、サファリ・ラリーのWRC復帰が決まって以降、今回が初のケニア訪問となる。

 トッド会長は火曜日、WRCサファリ・ラリー緑化レガシープロジェクトの誕生式典に出席、カサラニのモイ・インターナショナル・スポーツセンターにおかれるサファリ・ラリー・プロジェクトのヘッドクオーターで記念の植樹を行った。

 ケニア政府は、FIAの支援のもとでサファリ・ラリーの復活を記念して今後3年間で1900万本の木をサファリ・ロードに植樹し、ラリーレガシーをケニアに根付かせて環境保全と交通安全教育を推進することを公約している。2020年に18年ぶりにWRC復活が決まった際には1800万本の植樹計画が提案されたが、復帰が1年遅れたことでプロジェクトの目標も1900万本へと上乗せされた恰好だ。トッドが植樹したのは1900万本のうちの最初の1本であり、アカシア・キサントフロリア(黄熱病の木)だという。

 サファリ・ラリーは今年の5月21〜24日に復帰が予定されていたが、新型コロナウイルスのパンデミックの影響で中止となっており、来年は6月24〜27日に開催が予定されている。

 トッドはWRCサファリの技術チームやスタッフと会い、中止となった今季の経験を生かして来年のサファリを成功させるために作業を続けている主催チームの努力を称えるとともに、サファリCEOのフィニアス・キマティとWRCサファリ・ラリー緑化レガシープロジェクトの牽引者であるスポーツ・文化・遺産省のアミナ・モハメド内閣官房長官の仕事がうまくいったことを称賛した。

「私がここにいるのは義務ではなく、夢を実現するためにアフリカに来たからだ」とトッド会長は語った。

「親愛なるアミナとフィニアスが私に(ケニアでのサファリの復活を)信用を与えてくれたので感謝を述べたい。(COVID-19という)モンスターのせいで、今年はサファリをすることができなかったが、私は来年を楽しみにしている」

 トッドは、交通安全に関する国連事務総長特使としてケニアを訪れており、交通事故で若者を中心に3,000人以上が死亡しているケニアで交通安全を促進するためにサファリ・ラリーを利用するようケニア政府に促した。

「COVIDで亡くなる高齢者と同様の数の若い人が交通事故で亡くなっている。それは一人一人の人間の責任だ。ケニアにはアフリカにおける交通安全を提唱する私の特使をお願いしたい。アフリカは美しいが、安全な道路があればもっと美しくなるだろう」

 トッドは木曜日には、ナイバシャのケニア野生動物サービス訓練所におかれるサファリ・ラリーのサービスパークを視察することになっている。