WRC2020/08/29

トヨタ、エストニアに選手権リーダーとして挑む

(c)Toyota

 トヨタGAZOOレーシングWRTは、9月4日(金)から6日(日)にかけてエストニアのタルトゥを中心に開催される、FIA世界ラリー選手権第4戦ラリー・エストニアに、セバスチャン・オジエ、エルフィン・エヴァンス、カッレ・ロヴァンペラの3人をワークスノミネート、またTGR WRCチャレンジプログラムの勝田貴元を加えた4台のヤリスWRCで参戦する。

 今季のWRCは第3戦のラリー・メキシコのあと新型コロナウイルスの世界的な蔓延によってシーズンが中断してきたが、新たにWRCカレンダーに迎えられたラリー・エストニアにおいて6カ月ぶりに再開する。

 これまでのところドライバーズ選手権ではメキシコで勝利を飾ったオジエがリード、8ポイント差でチームメイトのエヴァンスが続き、トヨタの二人が選手権を引っ張っており、さらにロヴァンペラも選手権の4位につけている状態だ。また、トヨタはマニュファクチャラー選手権でも首位の座を21ポイント差で守ってシーズン後半へと挑む。

 ラリー・エストニアは以前から国際的なイベントを開催しており、近年はWRCラリー・フィンランドの前哨戦として多くのトップチームや選手を迎えてきた。昨年はWRC誘致を目的とした「WRC公式プロモーションイベント」として行なわれ、WRCの全マニュファクチャラーが参戦。その中で、ヤリスWRCは2年連続で総合優勝を飾っている。

 ラリー・エストニアは非常にハイスピードなグラベルステージが大部分を占め、クレストやジャンプも多くあります。全体的にはラリー・フィンランドと似た特徴を持つラリーですが、やわらかいグラベルをもつ路面はフィンランドよりも滑りやすく、ドライコンディションでは出走順が早い選手が不利な条件となります。

 チームは、テスト制限が緩和された後、ヤリスWRCのテストをフィンランドとエストニアで行ない、先週末はロウナ・エースティ・ラリー(南エストニア・ラリー)にオジエ、エヴァンス、ロヴァンペラの3台体制で出場するなど、シーズン再開に向けて準備を進めてきた。また、勝田も8月初旬にフィンランドで開催されたコッコラ400ユホラ・ラリーにヤリスWRCで参戦、総合優勝を飾ってエストニアにむけてウォームアップを行っている。

 ラリー・エストニアのサービスパークは、エストニア第2の都市であるタルトゥのラーディ旧空軍基地に置かれ、競技は金曜日から日曜日にかけて3日間行われます。ただし、金曜日はサービスパークの近くでショートステージが1つのみ行なわれ、他の16ステージは土曜日と日曜日に集中、その合計距離は232.64kmというかなり短い距離での戦いとなる。

 チーム代表のトミ・マキネンは次のようにコメントしている。

「この瞬間を待ち望んでいたファンの皆さんやパートナーのためにも、再びラリーに参戦できることを嬉しく思う。このような困難な時期に、人々に楽しみをもたらすことができれば幸いだ。今となっては遠い昔のことのようにも感じるが、シーズンの始まりは我々にとって非常にポジティブなものだったので、これからもそれを維持して行きたい」

「ドライバーたちはエストニアのステージにそれほど慣れていないが、ステージはとても高速で、我々のクルマに合っていると思う。この数週間で可能な限りの準備をしてきたので、上位争いができることを期待している」