WRC2017/03/09

トヨタ、シェイクダウンでメキシコ最終調整を完了

(c)Toyota

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 2017年世界ラリー選手権(WRC)第3戦ラリー・メキシコのシェイクダウンがラリーの中心となるレオンの近郊で行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(ヤリスWRC #10号車)が4番手タイム、ユホ・ハンニネン/カイ・リンドストローム組(ヤリスWRC#11号車)が10番手タイムを記録。明日の競技開始に向けての最終準備作業を完了した。

 高い気温と高い標高という、ふたつの困難な要素が戦いの鍵を握るラリー・メキシコは、チームにとって新たなる挑戦となる。ヤリスWRCにとってメキシコでの初走行となったシェイクダウンでは、ラリー本番のSSに近いタフな路面コンディションの5.31kmのグラベルコースを複数回走行。システムの最終チェックを行なうと共に、ラリー本番を想定した全開走行も実施してヤリスWRCのメキシコの道でのパフォーマンスを確認した。

 TOYOTA GAZOO Racing WRTのチーフエンジニア、トム・ファウラーは次のようにコメントしている。

「通常、他のラリーでは、タイヤをセーブするためシェイクダウンを全開で走る事は少ないけれど、今回はメキシコ特有の高い標高にエンジンのマッピングを適合させるため、あえて全開走行を行なった」とファウラー。「走行ごとにチューニング作業を行なった結果、エンジンの最適化が進み、最終的に2台のマシンともに満足できるタイムを記録した。また、マシンには何も問題が生じなかったため、シェイクダウンではパフォーマンスの向上作業に集中することができている」

 ラトバラはエンジンのマッピングの作業が満足できるレベルに仕上がったと語った。

「シェイクダウン最初の走行ではマシンのセッティングにあまり満足できなかったけれど、その後エンジンのマッピングを変更し、ダンパーの減衰力を調整したところ2回目の走行ではフィーリングがかなり良くなった。そして、3回目の走行では本当に満足できるセッティングに仕上げることができたよ。これで、明日からの競技に自信を持って臨むことができるが、ラリー・メキシコはとても気温が高くタフなイベントであり、スプリントラリーというよりも耐久ラリー的な傾向が強いため、慎重に行くつもりだ」

 また、ハンニネンもいいフィーリングに満足してシェイクダウンを終えている。

「全体的にとてもいいフィーリングでシェイクダウンを走り終えることができた」とハンニネンは語った。

「マシンには何も問題が発生しなかったので、エンジンのマッピング作業に集中し、良いセッティングを見つけることができたと思う。ラリー・メキシコはとても難しく長いラリーなので、競技最終日の日曜日がはるか先の事に感じられるよ。明日の木曜日はSS1を戦うためメキシコシティに向かうけれど、メキシコはとても熱狂的で素晴らしいファンが多いのでとても楽しみにしている」

 木曜日の競技初日は、レオンから約400km離れたメキシコシティでオープニングステージが行なわれる。そのため、シェイクダウンを終えたラリーカーは、トランスポーターに載せられて陸路メキシコシティへと旅立った。メキシコシティでは市の中心部の歴史的地区「ソカロ」でSS1として1.57kmのショートステージを2回走行する。競技開始は18時05分からと遅いスタートとなり、選手たちは走行終了後飛行機でレオンへと戻り、10日(金)からのグラベルステージに臨む。