WRC2017/05/13

トヨタ、初の3台体制でポルトガルへ

(c)Toyota

 TOYOTA GAZOO Racingは、来週末に開催されるFIA世界ラリー選手権(WRC)第6戦ラリー・デ・ポルトガルに、ヤリ-マティ・ラトバラとユホ・ハンニネンの二人に加え、新たにエサペッカ・ラッピを投入、初めて3台のヤリスWRCで臨む。

 現在ドライバーズランキング2位につけるラトバラは、ポルトガルでの実戦経験が十分にあり、2015年には総合優勝を果たしている。また、ハンニネンは2014年に8位に入っているが、同年はポルトガル南部のファロを中心に行われたため、北部のSSはハンニネンにとって初めての経験となる。

 今回初めて3台目のヤリスWRCのステアリングを握るラッピにとって、ポルトガルは2013年にWRC2カテゴリーで初優勝を遂げたラリーであり、2016年にはWRC2で2位を得ている。

「これまでテストを重ねてきたが、実戦の場は全く違うものになると思う。このような機会を長い間待っていたので、ヤリスWRCで初めてラリーに出場することになり、本当に心が躍るような気持ちだ」とラッピは語った。

「もちろんチームの仕事として走るわけだから、私がすべきことはクルマの開発をさらに進めるために、できるだけ多くのデータを収集することだ。そのためには、完走が何よりも重要となる。ポルトガルのような難しいラリーで完走するのは決して簡単ではないが、自分の経験を増やすためにも、すべてのステージを走る必要があると胸に刻んでいる。とにかく冷静な気持ちを保ち、集中してラリーに臨みたいと思っている」

 3名のドライバーは今週、ポルトガルに向けたプレイベントテストを行ない、グラベルラリーでのヤリスWRCのパフォーマンスを、さらに高めるための改善作業を行っている。

 チーム代表のトミ・マキネンは、3台体制でさらに多くの実戦データを収集し、クルマの開発を加速するつもりだと語った。

「ポルトガルに向けて、サスペンションやその他いくつかの部品について新しいことを試したが、天気がとても悪かったため、テストの結果がどれほど現実的なのかは分からない。ラリーではその時々の走行条件に大きく左右されることが多いため、どうなるか予想するのは難しい。ポルトガルは、高い運転技術が求められるタフな由緒あるイベントであり、我々にとっては未知なる部分が多いが、これまでやってきたように、グラベルにおけるクルマの性能を着実に高めていきたいと思っている。今回はテストを目的に3台目のヤリスWRCを走らせるが、エサペッカ(・ラッピ)とヤンネ(・フェルム)によってさらに多くの情報を得られると期待している」