WRC2017/10/31

トヨタ、滑りやすいGB攻略に光を見いだす

(c)Toyota

 トヨタGAZOOレーシング・ワールドラリーチームのヤリ-マティ・ラトバラは、先週末のラリーGBで惜しくも表彰台にはとどかなかったが、ウェールズの滑りやすく難しいグラベルロードで将来に向けた手応えをつかむことになった。

 ドライコンディションで行ったプレテストの問題もあり、トヨタ勢はウェットコンディションとなったウェールズのステージで初日から苦戦することになった。ユホ・ハンニネンは土曜日のクラッシュでリタイアとなり、エサペッカ・ラッピは経験を積むために4日間を辛抱強く走りきった。

 ここで過去2度の優勝経験をもつラトバラは、ハンドリングとトラクションに苦しみながらも今年のラリーをスタートしたが、少しずつセッティングを改善しながら土曜日のナイトステージでは初めてのベストタイムを奪うことになった。さらにセッティングのさらなる変更を行って臨んだ最終日、ヤリスWRCのハンドリングはさらに好転、彼は果敢にポディウムへのチャレンジを行い、SS19グイデイルではこのラリー2度目のベストタイムで表彰台圏内まで2.3秒まで迫ることになった。

 ラトバラは残念ながらSS20のミスで最終的にはラリーを5位に終わることになったが、最後のパワーステージでは3番手タイムを奪うなど、来シーズンにむけて力強い手応えを感じてラリーを締めくくった。

「最後のパワーステージでは、あれ以上は無理と言えるくらい攻めた。本当に自分のすべてを出しきったよ」とラトバラ。「今回は完璧とはいえないラリーだったが、何を改善すべきか理解できた。テストと実際のコースではコンディションが異なり、それが今回苦戦した理由のひとつだが、たしかに今日のような滑りやすい路面ではクルマの向きを変えることが難しく、フラストレーションが溜まることになった。これ以上のことは僕にはできなかったが、これまで自分が乗ってきたラリーカーの中で、ヤリスWRCこそが最高のクルマであるという考えに変わりはない」

 チーム代表のトミ・マキネンは、苦戦しながらもマシンの改良の方向が見えたとして、チームにとってポジティブな結果が得られたと週末の戦いをふり返った。

「今回の自分たちのパフォーマンスに満足しているわけではないが、ポジティブな面もあった。何が正しくなくて、どのように改善すべきかを理解できたからだ。我々のクルマはラリー・フィンランドのようなハイグリップなコンディションでは速く、大きな進化を確認できた。そしてラリー・デ・エスパーニャで少し変更を施したが、それが正しくない方向に進んでしまった。そして今回、ラリー前のテストで使った路面は、実際にラリーで走ったSSよりもグリップ力が高く、それも問題だった。今回の経験を活かし、次回は少し異なるセッティングで臨みたいと思う」