Raid2021/01/03

トヨタ、2度目のダカール総合優勝を目指す

(c)Toyota

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 トヨタGAZOOレーシングは、2度目の総合優勝を目指し、1月3日から開催されるダカール・ラリー2021に挑戦する。2019年に初めてトヨタにダカール勝利をもたらしたナッサー・アル-アッティーヤは、新しいハイラックスのパフォーマンスを確信してると述べ、トヨタに再びタイトルをもたらすべく、ベストを尽くしたいと語っている。

 ダカール・ラリー2021は、昨年に引き続き、サウジアラビアのみを舞台として競われます。1月3日(日)にジェッダをスタートし、サウジアラビアを反時計回りに巡るルートで、ジェッダからビシャへと南下。そこからワディ・アル・ダワシールでのステージを戦い、北東へと進路を変えて首都リヤドへと入り、さらに2日間の戦いを経て、1月9日(土)にハイールで休息日となる。

 後半戦はサカカへと北上したあと西へと進路を変え、2日間のステージを経て、未来都市ネオムへ。最後は南へ向かい、アル・ウラとヤンブを経由して1月15日(金)にジェッダでフィニッシュを迎える。

 ダカールに先駆け、チームは昨年12月、新型ハイラックスのシェイクダウンのために、FIAクロスカントリー・バハ・ワールドカップの最終ラウンドとなるバハ・ハイールのダブルヘッダー戦に参戦、ナッサー・アル-アッティーヤは、第1ラウンドから勝利をかけてライバルのカルロス・サインツと超接近戦を展開したが、惜しくも第2ラウンドでレース後に科されたペナルティにより勝利を逃し、ワールドカップのタイトルを逃すことになった。

 しかしながら、ダカールラリー2021の準備として、国際的なイベントにはわずか2戦しか出場しなかったにもかかわらず、新型ハイラックスはここでその速さと信頼性を証明して見せたと、アル-アッティーヤはコメントしている。

「ダカールへ向けての、車両の準備や開発において、多くの困難に直面し、ここまで来るのがとても大変だったということは分かっている。しかし、バハ・ハイール戦ではハイラックスが本当に速く、信頼性も高いことを確認できたし、ラリー本番が楽しみになった。トヨタに再びタイトルをもたらすべく、ベストを尽くしたい」

 チームはこの1年、新型コロナウイルス感染症の世界的な広がりによりトレーニングやテストが制限される厳しい状況の中で、健康と安全を考慮した上でラリーレイド仕様の新型ハイラックスの開発を続けてきた。

 新しいハイラックスは、これまでのダカール参戦で培われてきたマシンの進化バージョンとなり、2019年に優勝したマシンをさらに磨き上げたもので、多くのパーツが改良されている。サスペンションは徹底的に見直され、新しい設計となった排気系によって、LEXUS RC F用の自然吸気V8エンジンのトルクカーブは低速からパワフルなものへと強化されている。

 また、トヨタは昨年のダカールで、毎日のようにタイヤのトラブルに悩まされことから、新しく開発したGRヤリス用のタイヤ空気圧センサーをハイラックスにも採用したという。

 チーム代表 グリン・ホールはつぎのようにコメントした。

「今回のダカールラリー2021は、例年にない特別なイベントとなる。新型コロナウイルス感染症の世界的な広がりにより、ラリーそのものの開催が疑問視されたこともあるなかで、我々はダカールへの挑戦のためにハイラックスの開発を続けてきた。そして今、ダカールのスタートを明日に控え、この場にいられることを本当に誇りに思っている。また、再びダカールを制覇出来るマシンに仕上がっていると確信している。我々の最大のライバルであるカルロス・サインツはハイラックスを強力なライバルだと評価してくれた。彼のコメントは非常に励みになったし、我々もハイラックスと共に限界までプッシュを続けて、良いバトルができると確信している」

 トヨタは今回のダカールに4台のハイラックスを投入、4度目の優勝を狙うアル-アッティーヤ/マシュー・ボーメルのほか、2009年以来となる2度目のダカール制覇を狙うジニエル・ド・ヴィリエ/アレックス・ハロのベテランも優勝候補となる。また、チームに新たに加わった南アフリカ・クロスカントリー選手権で2年連続でチャンピオンに輝いたヘンク・ラテガン/ブレット・カミングス、元南アフリカチャンピオンのシャミア・ヴァリアワがデニス・マーフィと組んで4台目のハイラックスをドライブする。