WRC2017/11/23

トヨタが、WRC参戦一年目のシーズンの報告会開催

(c)Takeshi Sakuma

(c)Takeshi Sakuma

 トヨタGAZOOレーシング・ワールドラリーチームは11月23日、東京都内でWRC2017年シーズン報告会を開催、チーム代表のトミ・マキネン、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルムが来日、この一年のチャレンジについて報告を行った。

 トヨタは今季、ヤリスWRCとともに18年ぶりにWRCへ復帰、「今年は学びの年」と位置づけていたが、開幕戦モンテカルロで表彰台、そして第2戦スウェーデンではラトバラが優勝を果たし、上々の滑り出しをみせ、チームの本拠地があるフィンランドで開催された第9戦ではラッピがキャリア初勝利を飾ることになった。

 終盤戦ではメカニカルトラブルも続いたが、トヨタはマニュファクチャラー選手権3位、ラトバラはドライバーズ選手権4位で参戦初年度を終えることになった。

 1000名以上という応募のなかから選ばれた20名のファンも招待されて開催された今回の報告会の冒頭においてGAZOO Racingカンパニーの友山茂樹プレジデントがこれまでの戦いをふり返るとともにさらなる飛躍を目指したチャレンジを続けたいと力強く宣言した。

「トヨタの参戦が決まったあと、トヨタとマキネンとどちらが開発においてイニシアチブをとるのかということが問題となりました。しかし、社長は一貫して『マキネンに学べ』と言い切ってきました。開発から参戦してこれまでの一年はマキネンとトヨタが一つのチームになるための重要なプロセスでした」

「これまで私は目標を聞かれるたびに、今年は学びの年だと言ってきたが、開幕戦モンテカルロで2位。そして第2戦スウェーデンで優勝と、出来すぎのスタートを切ることができました。しかし、そのあとは苦しい戦いが続き、フィンランドで優勝と3位を達成して私も表彰台に上がったときに、君が代が流れて、回りの人たちからも祝福されるのを見て、やっとWRCのプレイヤーの一員として認めてもらえて涙が流れました」

「1月にはモンテカルロで2018年が開幕します。新シーズンには、ラトバラとアンティラ組、ラッピとフェルム組に加えて、オット・タナクとマルティン・ヤルヴェオヤ組という強力な助っ人を加えた3台体制でフルシーズンに挑みます。タイトルを目指して、来年もさらなる飛躍を目指したいと思います」

 チーム代表のマキネンは、参戦一年目のシーズンに収集したデータがあるため、さらに来年はコンペティティブなシーズンになるはずだと誓っていた。

「今シーズンはタフな1年だったが、スウェーデンやフィンランドなどの素晴らしい結果もあったし、なによりシーズンを通してたくさんのデータを収集できた」とマキネンは語った。

「長い1年だったが、すでに2018年のモンテカルロにむけて準備が始まっているが、これまで収集したデータがあるからチームはさらにコンペティティブになり、より一貫した結果を出していきたいと思っている。モンテカルロでいいスタートが切れるよう準備をしていきたい」

 ラトバラは2年目のシーズンではマニュファクチャラーズタイトルとドライバーズタイトルも狙っていきたいと宣言している。

「スウェーデンでの勝利は予想してなかったが、6日間のスウェーデンでスノーテストを行い、ハイスピードでの走りとマシンには自信があった。最終日はナーバスになっていたけど、マキネンから『いつも通りに全力走ればいける』とアドバイスがあった。走り終えたあとは、とにかく最高にいい気分だった。今年は学びの年でマシンを向上させるための一年だが、僕自身は一貫性がなかったことが課題だ。来年はマニュファクチャラーズタイトルはもちろん、ドライバーズタイトルも狙っていきたい」

 また、ラッピはWRカーデビューしてわずか4戦目で初勝利を経験したとはいえ、来季も学び続け成長することを誓っていた。

「ラリーに勝てるというのは特別な瞬間でしたが、ミスも多かったので来年はコンスタントに結果を出してフィンランドでまた勝てるようにがんばっていきたい」

 また、高い倍率のなかから選ばれて招待されたファンからは2018年シーズンの活躍を祈願して寄せ書きの入っただるまが贈られたほか、ドライバーとチームへの質問のセッションが設けられていた。