WRC2020/03/13

トヨタのエヴァンスがシェイクダウンで最速

(c)Toyota

(c)Hyundai

 2020年世界ラリー選手権第3戦ラリー・メキシコのシェイクダウンが12日に行われ、トヨタGAZOOレーシングWRTのエルフィン・エヴァンス(トヨタ・ヤリスWRC)が3分41.8秒の一番時計を叩き出し、0.6秒差の2番手タイムにはティエリー・ヌーヴィル(ヒュンダイi20クーペWRC)が続いている。

 ラリー・メキシコのシェイクダウンは2013年以来使用されているおなじみとなったジャノ・グランデの5.31kmのステージで朝10時からスタートした。世界選手権のルールにより欧州圏外のイベントでは現地での事前テストが禁止されるため、本番のステージに近い路面を走行するシェイクダウンは、各ドライバーにとってクルマの最終確認を行なう絶好のチャンスとなる。

 気温は16度、完全なドライコンディションとなったシェイクダウンの1回目の走行で、3分50.1秒のトップタイムを奪ったのは7番手からスタートしたテーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)、0.6秒差の2番手タイムには今季初参戦のダニエル・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)が続き、選手権リーダーのエヴァンスがかなりの小石とダストが覆ったステージを一番手で走行したにもかかわらずソルドと同タイムの2番手で発進することになり、スウェーデンからのいい流れをここでもキープしていることを証明することになった。

 しかし、選手権ランク2位のヌーヴィルはヒュンダイi20クーペWRCに新しいエアロが投入されたことに期待しているとしながらも1回目の走行は3.8秒遅れ7番手タイム、「驚くほどグリップがないためクルマをキープするのに苦労した」と不満をのぞかせる。チームメイトのオイット・タナク(ヒュンダイi20クーペWRC)もバンピーなコーナーでスピンしたために11.5秒遅れの冴えないスタートとなった。

 しかし、2回目の走行でエヴァンスがあまりタイムを伸ばせないなか、タナクが3分43.0秒の一番手タイム、1.5秒差でソルドが続き、ヒュンダイ勢が1-2を占めるなか、0.1秒差でトヨタ勢最速のカッレ・ロヴァンペラ(トヨタ・ヤリスWRC)が続くことになった。

 いっぽう、過去メキシコで5勝を飾っているセバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)は6番手タイムに終わった1回目の走行のあと、新型コロナウイルスの流行により気持ちが乱されていたのか、「今ここにいてドライブするのは奇妙な気持ちだ。世界は危機的な状況にある。何かが起こっているのか僕にもわかる」と語っていたが、その後、じょじょにペースを上げてシェイクダウンの3回目の走行では3分25.5秒を叩き出し、ふたたび好タイムを奪ったエヴァンスと一番時計を分け合うことになった。

 オジエはこの3回の走行でシェイクダウンを切り上げたが、エヴァンスは4回目の走行を行って自身のタイムを0.7秒上回る3分41.8秒のタイムでオジエを突き放してシェイクダウンの最速タイムを奪うことになった。

 また、なかなかペースをつかむことができずにシェイクダウン3回目を終えて5番手タイムにとどまっていたヌーヴィルが4回目の走行でエヴァンスから0.6秒差遅れ、オジエを0.1秒上回る2番手に飛び込んでいる。

 4番手タイムには、タナクとロヴァンペラが3分43秒の同タイムで並び、本番にむけてともに期待がもてる仕上がりをみせている。

 また、1回目の走行でトップタイムを奪ったスニネンだが、すぐにサービスパークへと戻ってセットアップを見直したものの、タイムを伸ばすことができず、3.4秒差の7番手タイムに終わっている。

■シェイクダウンタイム
1. E.エヴァンス 3分41.8秒
2. T.ヌーヴィル 3分42.4秒
3. S.オジエ 3分42.5秒
4. O.タナク 3分43.0秒
4. K.ロヴァンペラ 3分43.0秒
6. D.ソルド 3分44.4秒
7. T.スニネン 3分45.2秒
8. E.ラッピ 3分46.0秒
9. G.グリーンスミス 3分46.6秒