WRC2017/03/10

トヨタのハンニネンがメキシコSS1をリード

(c)Toyota

(c)Hyundai

 世界ラリー選手権第3戦ラリー・メキシコが9日にメキシコシティで行われたストリートステージで開幕、TOYOTA GAZOO Racing WRTのユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC)がトップに立つことになった。

 ラリー・メキシコは昨年まで世界遺産で有名なグアナファト市の地下トンネルのステージで開幕してきたが、今年は首都メキシコシティへと舞台を移して開幕することになった。前日のシェイクダウンのあとマシンはトランスポーターで400km離れたメキシコシティへと向かい、ドライバーや関係者はこの日の朝、チャーター便でレオンからメキシコシティへと移動することになった。

 ジェームズ・ボンドの「007 スペクター」のオープニング・シーンにも登場したソカロ広場には20万人を超える観客が詰めかけ、熱狂と興奮のなかこの日のオープニングSSとなるシウダー・デ・メキシコ(CDMX)がスタートすることになる。

 夕方近くに雷雨に見舞われたメキシコシティだが、1回目の走行が始まったころには雨が上がったものの、トップドライバーを5人残したあたりで再び雨が降りだし、アスファルトと石畳のステージにはたくさんの水たまりが生まれてトリッキーなコンディションとなった。

 ただでさえ陽が落ちてコース全体が暗くなっているため、ドーナツターンへの侵入の際にランプポッドの光がパイロンとして置かれたバレルをうまく照らさないためにミスをするドライバーが続出していたが、セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)も最初のドーナツターンでうまく回りこむことができずにエンジンをストップ、5.3秒ロスして1回目の走行は10番手タイムにとどまった。また、選手権リーダーのヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)もトリッキーなコンディションを前にペースダウンを余儀なくされて4.8秒をロス、彼も初日を8番手と出遅れることになった。
 
 SS1で好スタートを切ったのは後方がウェットコンディションに苦しむ前に走行を行ったドライバーたちだ。1回目の走行で一番時計を奪ったハンニネンは、2回目の走行でも5番手タイムにまとめ、SS1の2回の走行を終えてトップに立つことになり、シトロエン・レーシングのクリス・ミーク(シトロエンC3 WRC)とMスポーツのオット・タナク(フォード・フィエスタWRC)が1.6秒差の同タイムで2番手につけることになった。

 4番手、5番手には、ティエリー・ヌーヴィルとヘイデン・パッドンの2台のヒュンダイi20クーペWRCが続き、2回目の走行では自身のタイムを10秒以上縮める最速タイムで挽回したオジエが6番手につけることになった。

 また、好タイムを並べて3位で初日をスタートするはずだったDMACKワールドラリーチームのエルフィン・エヴァンス(フォード・フィエスタWRC)はシェイクダウンのあとでエンジンを交換したために5分ペナルティを受けるとことになり、24位と大きく出遅れることになってしまった。

 このステージのあとドライバーとチームはふたたびチャーター便でレオンへと戻り、ラリーカーは夜のうちに再びトレーラーでレオンへと搬送されることになっている。今季初のグラベルラウンドのなるラリー・メキシコは、明日の金曜日の朝、ラリー最長となる54.90kmのエルチョコラテのステージで本格的な戦いの火蓋を切ることになる。