WRC2019/06/02

トヨタのマキネン「信じられないくらい難しい日」

(c)Toyota

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 ラリー・デ・ポルトガルの土曜日、鉄壁にも見えたトヨタGAZOOレーシングWRTの1-2-3態勢は、思っても見なかったサスペンショントラブルの続出で崩れることになった。総合2位につけていたヤリ-マティ・ラトバラがダンパーを壊してデイリタイア、オイット・タナクも最終ステージで同じ問題に見舞われたが、どうにか首位をキープ、クリス・ミークが2位に浮上しており、トヨタは1-2で最終日を迎えることになった。

 ラリー・デ・ポルトガルのデイ2は前日に続き快晴に恵まれ気温も上昇。路面はドライコンデイションとなった。デイ1で総合2位のラトバラに17.3秒差をつけて首位に立ったタナクは、デイ2オープニングのSS8でブレーキシステムに問題が発生したが、ロードセクションで応急処置を行って首位をキープしてきた。だが、デイ2最後のSS13でサスペンションに不具合が発生、首位を失う危機に直面することになったが、タナックは遅れを最小限に留め、首位の座を守り切っている。

「本当にたいへんな一日だった。午後のステージは今回のラリーでもっとも難易度が高く、多くの石がそこら中に転がる、非常に荒れた路面コンディションだったので、クルマに大きな負担がかかった」とタナク。「残念ながら最後のステージで問題を抱えてしまったが、最後まで走り切れたのは不幸中の幸いだよ。僕らは依然ラリーをリードしているが、油断はできない。日曜日は勝負がほぼ決まり退屈に感じることもあるが、今回に関しては最後まで攻め続けなければならない。しかし、僕らのクルマには速さと、勝つ力が備わっていると思う」

 不運だったのはラトバラだ。彼は朝のステージで2つのベストタイムを記録し、首位タナクとの差を一時5.1秒まで縮めたが、午後のステージでサスペンションに問題を抱えて大きく遅れ、最終ステージを前に走行を断念、デイリタイアとなっている。につけており、明日のデイ3にはラリー2規定に基づき総合では11位で再出走する。

「朝のステージはハードタイヤを2本使ったが、その効果は非常に大きく、思い切り攻めることができた。自分の速さに満足でき、クルマのフィーリングが良かったので、リズムを感じながら楽しく走れた」とラトバラ。「しかし、午後の1つ目のステージでクルマのフロントに違和感を覚え、すぐに(ダンパーに)何か問題が起きたと理解した。自力で応急処置を試みて次のステージに向かったが、道がとても荒れていたため、最終的には壊れてしまったんだ。ポディウムを狙える位置につけていたので、とてもフラストレーションを感じるよ」

 デイ1で総合3位につけたミークは、デイ2最初のSS8でベストタイムを記録、午後も3ステージ連続でセカンドベストタイムを刻んでSS12ではラトバラを抜いて総合2位に浮上、今季初表彰台に大きく近づいている。

「今回は、特にクルマにとって非常に過酷なラリーになっている。気温は高く、路面は乾き、2回目の走行時はこれまで見たことがないくらい酷く荒れ、最悪ともいえるコンディションになった。ヤリ-マティはとても好調だったので、あのようなことになってしまったのは本当に残念だが、自分にとって本当に良い日になった。おそらく、このクルマで走った中では最良の日だったと思う。順位を守るため思い切り攻めなくてはならない状況だったので、全力で走った。オィットと僕が、このままワンツーフィニッシュすることがチームにとって重要なので、明日も全力で戦う」

 チーム代表を務めるトミ・マキネンは、タナクとラトバラに発生した問題について原因を究明しなければならないと厳しい表情で語っている。

「信じられないくらい難しく、色々なことが起きた1日だった。それでも依然ワンツー体制を維持しており、最終日に向けてチームはいい位置につけている。ヤリ-マティは午前中とても速く、彼が良い結果を渇望しているのを知っていたので、本当に残念だ。オィットもまた同様の問題に遭遇したが、彼の場合は幸運にも1日の終わりに近かったので、あまり大きな影響を受けなかった。彼らのクルマに起きた問題について、これから慎重に調査を進めて原因を究明し、次のサルディニアに向けて再発防止に努めるつもりだ。現状、ライバルとのタイム差はあまり大きくないが、我々のドライバーは自信を持っている。戦いは、明日もまだ続くよ」