WRC2017/05/22

トヨタ初の3台体制は全車がトップ10入賞

(c)Toyota

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 TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team は、ラリー・デ・ポルトガルでユホ・ハンニネンが7位、ヤリ-マティ・ラトバラが9位、エサペッカ・ラッピが10位でフィニッシュ、初の3台体制での参戦で幾多の困難を乗り越え全車が完走を果たした。
 
 ハンニネンは土曜日に安定感のある走りを続け、SS18では5番手タイムを記録。前日よりも少し体調が好転したラトバラは、初日の横転による後退から9位まで挽回した。そしてラッピは、今回がWRカーでの初ラリーであったにもかかわらず、10位でフィニッシュ。さらに、ボーナスポイントがかかるパワーステージでは、4番手タイムを記録して、初めてボーナスポイントを獲得することになった。

 それぞれの選手が様々な困難に対峙したタフな1戦ではあったが、終わってみれば全車がトップ10以内で完走を果たし、チームにとっては実り多きラリーだった。

 チーム代表のトミ・マキネンは次のようにコメントした。

「今回もまた非常に難しいラリーになったが、将来に向けていろいろなことを学んだ。そして、3台のヤリスWRCがすべて完走したことに満足している。我々の中で最上位だったユホは、一貫して堅実な走りで7位に入り、ポイントを加算した。もしも小さなトラブルに見舞われなければ、きっとさらに上の順位でフィニッシュしていたはずだ。今回も彼は我々のプログラムにとって大事な貢献をしてくれた。ヤリ-マティは昨日かなり体調が悪く心配だったが、彼は体調不良を乗り越え最後まで戦い抜いた。そしてエサペッカは、今回がヤリスWRCでのデビュー戦だったにもかかわらず3ポイントを獲得するという、素晴らしい働きをしてくれた。彼が今回急激にスピードを高めていったことに感銘を受け、彼の将来は明るいと確信した。チームは、ここまでに学んできたことをとても効率的に吸収している。コドライバーを含む選手全員と、すべてのチームスタッフに感謝している」

 体調を崩していたヤリ-マティ・ラトバラは土曜日に病院で夜を過ごして点滴を受けて最終日に臨んでいたと明かした。

「これまでのキャリアで、もっとも身体的に辛いラリーだったね」とラトバラ。「昨日は本当に体調が悪かったけれど、病院で夜を過ごし点滴を受けた結果、今日はかなり回復し、最後まで走りきってポイントを獲得できた。大変なラリーが終わったので、これからの2日間はひたすら寝続けるよ。次戦サルディニアの前にテストの予定はないので、ゆっくりと体を休め、そして万全の体調で次のラリーに臨みたいと思う」

 ユホ・ハンニネンはあまり経験のないポルトガルで最後まで走りきるという目標を達成できたと語った。

「今回のラリー・ポルトガルは、前戦のラリー・アルゼンチンほどではなかったが、それでもかなりトリッキーなラリーだった。このラリーに対する経験は十分ではないが、それでも最後まで走りきりポイントを獲得できたのでハッピーです。もっとも重要なのは、このラリーから多くを学び、そして全体的にクリーンな走りをできたことだ。お陰で自信を持つことができた。ファフェのステージには信じられないほど多くの観客が集まり、素晴らしい経験だったよ」

 エサペッカ・ラッピは、パワーステージでもボーナスポイントを得られることを想像をしてなかったと喜びを語った。

「いろいろな意味で、今回は予想通りに行かないラリーだったが、今の自分たちに適切なスピードを見出だすことができたと思う。それは本当に重要なことなので、満足しているよ」とラッピは語った。

「今日の最初の2つのステージではタイヤを温存して、残る2つのステージでは思い切り攻めることができました。そして最後のファフェのパワーステージのビッグジャンプでは息をのむ着地となったが、少なくともヤリスWRCのサスペンションがいかに丈夫かを証明できたと思います。ラリーが始まる前からポイントを獲得できることを期待していたけど、パワーステージでもボーナスポイントを得られるとは、夢にも思っていなかったよ」