WRC2019/05/10

トヨタ勢、初開催チリにむけて戦いの準備完了

(c)Toyota

 WRC初開催となるラリー・チリがいよいよ開幕、トヨタGAZOOレーシングWRTは9日に行われたシェイクダウンでオイット・タナクが2番手タイム、ヤリ-マティ・ラトバラが3番手タイム、クリス・ミークが6番手タイムを記録、金曜日から始まる森林ステージに向けて、クルマのセッティングおよび最終確認を行なった。

 WRC初開催となるラリー・チリは、前戦ラリー・アルゼンチンと同じく、南米大陸を舞台するグラベルラリーとなる。しかし、コースの特徴はアルゼンチンと大きく異なり、ステージの大部分が森林地帯で行なわれる。路面は全体的にフラットで、クルマに大きなダメージを与えるような石はそれほど多くない。スピードが乗る中高速コーナーが続き、ドライバーにとっては比較的走りやすいコースだといえる。しかし、道幅が狭いところも多く、道の先が見えないクレストやジャンプもあるため、正確なドライビングテクニックが求められる。

 WRCのマニュファクチャラーチームは、ヨーロッパ以外での走行テストが禁じられており、ラリー前にWRカーでチリの道を走る事はできません。そのため、初開催のラリーながら事前テストのチャンスはなく、チームにとってシェイクダウンは貴重なテストの機会となった。

 チーム代表のトミ・マキネンは次のようにコメントした。「シェイクダウンは、ドライバーにとって初めてチリの道を走るチャンスだったので、本当に重要だった。走り始めの路面は濡れていて非常にトリッキーだったが、その後だんだんとドライになっていき、ドライバー全員が良いフィーリングを感じたようだ。何も問題は起こらず、あらゆる路面コンディションで良いタイムがでた。万事順調だと思いますので、明日朝の競技スタートがとても楽しみだ」

 タナクは、良いフィーリングを感じて自信をもって走れるかどうかが鍵になると語った。

「走り始めから何も問題なく、とても良いシェイクダウンになった。天気は我々がレッキをした時と大きく違い、降雨によって路面は泥状となり、まるでラリーGBのようだった。ゼロの状態から作ったペースノートで走る時は、完璧ではない部分もあるので大きなチャレンジだが、特に今回のような速いラリーではなおさらだ。ステージに集中し、良いフィーリングを感じて走ることが重要となる。今週末は、自信を持てるかどうかが戦いの鍵を握る」

 ラトバラは、新しいペースノートに自信を持って走るかどうかで勝負は決まるだろうと語っている。

「シェイクダウンは泥が多くとても滑りやすい路面状態でしたが、最初の走行からクルマに良いフィーリングを感じることができた。走行を重ねてもそれは変わらず、走りを楽しめた。レッキを行なった時はいくつかのステージで霧が立ちこめていたので、ペースノートを作るのはとても大変だった。このラリーの道は非常に難しく、明日の午前中のステージでは、誰がペースノートに自信を持って走っているのかがきっと明らかになるはずだ」

 ミークはスタート前にペースノートを確認する膨大な作業があると語った。

「森の中のシェイクダウンステージはウェットコンディションで、木材を運搬するための道路はまるでウェールズのようだった。泥に覆われた道での走行開始となったが、それでも楽しめたし、良いリズムを感じることができた。まったく新しいラリーで、新たにペースノートを作るのはいつでも大きな挑戦です。ラリーが始まる前に、間違いがないかどうか再確認しなくてはならないので、やるべき作業は山ほどあるよ」