WRC2019/11/15

ドライバーや関係者がオーストラリアで慈善活動

(c)Toyota

(c)Hyundai

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 世界ラリー選手権のトップドライバーたちをはじめとするラリーコミュニティは、今週のケナード・ハイヤー・ラリー・オーストラリアの中止を受けて、森林火災の救済のためにチャリティ活動に参加するとともに多額の寄付を行った。

 ニューサウスウェールズ州の北海岸で行われる予定だったWRCシーズンの最終ラウンドが火災の影響を受けて火曜日に中止が発表されると、その直後からイベント主催者らがイニシアチブをとって多数の支援活動が開始された。

 ドライバーたちは水曜日、販売されるはずだった数百ものチームのグッズにサインした。それらは、火災の犠牲者と救急隊員に寄付されるために、オンラインでオークションにかけられる。また、ヤリ‐マティ・ラトバラ、クリス・ミーク、ティエリー・ヌーヴィル、そしてコドライバーのニコラス・ジルスールとミーカ・アンティラがチャリティグッズを持参して、コフスハーバーの消防基地であるルーラル・ファイア・サービスを訪れて慰問している。

 6度の世界チャンピオンのセバスチャン・オジエは、数百人のボランティアラリー関係者に感謝の意を表して、負傷した野生生物の治療のために10,000ユーロ(約120万円)を寄付すると発表した。オジエのチームメイト、エサペッカ・ラッピとともに新しい世界チャンピオンに輝いたオイット・タナクもこのイベントに参加した。

 タナクは彼の父親が消防士でもあり、消火活動を行った消防士たちに特別な思いを伝えた。

「森林火災よって深刻な被害を受けたニューサウスウェールズのみなさんにお見舞い申し上げたい。僕は父が消防士なので、これがいかに危険で難しい仕事なのか、よく分かっている。地域の安全を守った消防士やボランティアのみなさんを心から尊敬している。この事態が一刻も早く解消することを願っている」

 また、現地のトヨタ・オーストラリアは、消火活動など緊急サービスの勇気ある作業や地域社会の回復へ支援として慈善団体のサルベーションアーミー・オーストラリアに250,000ドル(およそ1850万円)を寄付している。

 ラリー・オーストラリア主催者は赤十字に11,000ドル(約120万円)の寄付金を贈呈した。ドライバーのエルフィン・エヴァンス、クレイグ・ブリーン、テーム・スニネン、またコドライバーのヤルモ・レウティネンとスコット・マーティンも支援を行ない、贈呈式に出席した。

 イベント委員長のアンドリュー・パパドプロスは、ラリーコミュニティは危機に素晴らしい対応を行なったと語った。

「ドライバー、チームメンバー、その他の海外からの訪問者は今週の経験に深く影響を受け、2011年以降世界ラリー選手権を温かく歓迎してきたコフスコーストのコミュニティを支援したいという希望を表明した。オーストラリアの選手も参加料の払い戻しを寄付した」と彼は語った。

 日曜日には、山火事の影響を受けた約300人の救急隊員と住民への感謝の昼食会が行われる。ルーラル・ファイア・サービスおよびその他の緊急サービス組織が主催し、ラリー・オーストラリアでチームが提供するはずだった未使用の飲食物が振る舞われる。