WRC2019/08/02

ヌーヴィル、フィンランド市街地SSを制す

(c)Hyundai

(c)Toyota

 2019年世界ラリー選手権(WRC)第9戦ラリー・フィンランドは、木曜日の夕方にユヴァスキュラ市街地で行われたハルユ・ステージで開幕、ヒュンダイ・モータースポーツのティエリー・ヌーヴィル(ヒュンダイi20クーペWRC)がトップタイムをマーク、0.2秒差の2番手タイムで昨年このイベントを勝利しているトヨタGAZOOレーシング・ワールドラリーチームのオイット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が続く展開となっている。

 2014年に16年ぶりにフィンランドに復活したハルユ・ステージもいまではすっかりオープニングステージとして定着した。ユヴァスキュラの市街地と大学の公園内のコースで構成された2.31kmのステージには多くの観客たちが埋め尽くし、ステージが始まるまでにさまざまなゲストドライバーがファンのためにVIPランを行っている。ユハ・カンクネンが息子のニコを隣に乗せてカーナンバー60+のトヨタ・ヤリスWRCでデモンストレーションランを行ったほか、マーカス・グロンホルムもGRスープラGT-4コンセプトでステージを駆け抜け、
高速バトルの開幕にむけてステージの熱気は高まることになった。

 この日の朝に行われたシェイクダウンを制したタナクは、2年連続でこのハルユのオープニングステージを制しているだけに、今年もトップタイムでの発進が期待されたが、ヌーヴィルがグラベルとアスファルトを組み合わせたこのトリッキーなステージでタナクに0.7秒差をつけて初日をリードすることになった。

 フロントバンパーに投入された新しいエアロがその効果を早くも発揮しているのだろう。ヌーヴィルはマシンに手応えを感じているようだ。「今年のはじめから僕らはハードワークを行ってきた。とくにこのイベントにむけてね。これらの作業がいくつかのポイントに効くことを期待している。十分に準備を行ったので、チームのためにもいい結果を持ち帰りたいよ」

 選手権リーダーのタナクは、明日からは一番手でこのコースを走ることになるが、シェイクダウンの1回目の走行でも彼は路面掃除を強いられながらもトップタイムを奪っているだけに、明日からのステージにも自信をみせている。「明日からタフな一日になる。僕らはうまくやる必要があるし、なにができるかやってみるよ。しかし、もちろんトライしてみるさ」

 0.5秒差の3位にはタナクのチームメイトであるクリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)が続き、ドライバーズ選手権で4ポイント差でタナクを追うセバスチャン・オジエ(シトロエンC3 WRC)がミークの0.1秒後方に続いている。オジエはタナクに勝つチャンスはないと言いながらも明日からすべてを出し尽くす覚悟でいる。「ここではオイットが勝利したいと願っていることを知っているので僕らはノーチャンスだが、プッシュしてみるつもりだ。僕らはすべてを出し尽くすよ」

 5位にはアンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC)が続き、6位にはヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)、クレイグ・ブリーン(ヒュンダイi20クーペWRC)、テーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)の3人が並んでいるが、彼らもヌーヴィルからは2.4秒差にすぎない。

 ラリー・フィンランドは明日の金曜日の朝、2017年までパワーステージとして行われ、幾多のドラマの舞台としても有名なオイッティラの戦いの幕を開ける。スタート時間は現地8時18分(日本時間14時18分)が予定されている。