WRC2020/03/13

ヌーヴィル、メキシコ初日をリード

(c)Hyundai

 2020年世界ラリー選手権第3戦ラリー・メキシコは、12日木曜日の夜に行われたグアナファトのストリートステージGTOで開幕、ヒュンダイ・モータースポーツのティエリー・ヌーヴィル(ヒュンダイi20クーペWRC)がこのステージの2回の走行ともにベストタイムを奪い、初日をリードすることになった。

 ユネスコの世界遺産となっている銀鉱跡に作られた地下トンネルを舞台とするストリートステージGTOは、トンネルのなかは湿っているところもあるほか、石畳の路面に砂がのって滑りやすくなっており、道に沿う高い縁石に注意が必要だ。昨年は後半におかれた人工のジャンプ台が破損したことから途中でキャンセルとなっており、その埋め合わせのためか、今季は初めて2回の走行が行われることになった。

 その1回目の走行でベストタイムを奪って発進したのはヌーヴィル。この日の朝に行われたシェイクダウンでトップタイムを奪ったエルフィン・エヴァンス(トヨタ・ヤリスWRC)が0.4秒差の2番手タイムで続くことになった。

 ヌーヴィルは2回目の走行でも連続してベストタイム、エヴァンスがここでも0.7秒差の2番手タイムで続き、ヌーヴィルがラリーリーダーとして初日を終えることになった。

 ヌーヴィルはこれまでメキシコで優勝した経験はないものの、明日は初日からプッシュすると宣言、初勝利への野心をみせた。

「シーズン序盤において、ここは最高のイベントの一つだ。僕は常にこのステージを楽しんでいる。この週末は一秒一秒が非常に重要となるので、最初から思いっ切りプッシュするつもりだ」

 ヌーヴィルに続く1.1秒差の総合2位でこの日を終えたエヴァンスは、明日から始まる本格的なグラベルステージで戦いを前に自信と手応えを感じている。「明日は大きく変わるだろうが、スタートとしては良かった」

 初日を終えて1.9秒差の3位にはオイット・タナク(ヒュンダイi20クーペWRC)、2秒差の4位にはテーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)、5位にはダニエル・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)、6位にはややマシンをスライドさせたセバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)が続いている。注目のカッレ・ロヴァンペラ(トヨタ・ヤリスWRC)は1回目の走行が慎重すぎたと初日はガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC)と並んで7位につけることになった。

 ラリー・メキシコはこのあとホストタウンのレオンでのオーバーナイトホルトとなり、明日の金曜日は最高地点が2,700mを超えるエル・チョコラテやオルテガといった高地のグラベルに舞台を移して本格的な戦いをスタートする。