WRC2020/11/01

ヌーヴィル、初優勝マシンをヒュンダイ本社に返却

(c)Hyundai

 ティエリー・ヌーヴィルとダニエル・ソルドは、ヒュンダイにとってのWRC初優勝となった2014年のラリー・ドイッチュランドで1-2フィニッシュを達成したときの思い出深いマシンをチームから購入する予定だったが、韓国本社が売却価格を「安すぎる」と反対したために断念することになった模様だ。

 この話は、最近、スペインのジャーナリストのホセ・アントニオ・ポンセティがソルドに行ったインタビューで明かされたもので、クルマの売却と価格についてはヒュンダイ・モータースポーツ代表のアンドレア・アダモとすでに合意済みであり、ヌーヴィルはチームのメカニックが整備を行ったマシンをすでにベルギーへと持ち帰っていたという。

 ソルドもドイツのアルゼナウにマシンを引き取るために向かおうとしたところが、韓国の本社からの電話ですべてが行き詰まってしまったという。けっきょく、ソルドはマシンに触れることさえできず、ヌーヴィルも自身にとって初めてのWRC優勝を飾ったメモリアルマシンを返却することを余儀なくされたようだ。

 情報筋は、チームが最初に二人に約束した売却価格は1台あたり6万ユーロ(およそ730万円)だったと伝えており、たしかにヒュンダイ本社が指摘したように安すぎる金額のようにも見えるが、チームのタイトルに貢献したドライバーたちにマシンがプレゼントされるか破格の金額で売却されることはそれほど珍しいことではない。

 ソルドは約束が破棄された理由について詳細については明かさず、「それ以上質問したくなかった」と笑いながら語っていた模様だ。