WRC2018/11/17

ヌーヴィル痛恨のパンク、初王座厳しい状況に

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 ラリー・オーストラリアの初日はセバスチャン・オジエとティエリー・ヌーヴィルによる2018年のドライバーズタイトルをめぐって息詰まる攻防となったが、ヌーヴィルがSS6シェアウッドでパンクによって1分近い遅れを喫したことで彼の初のワールドチャンピオンは厳しい状況となったかにも見える。

 二人のタイトルチェイサーにとっては試練の一日になった。雨が降らなかったことでダスティな路面となった初日、一番手スタートのオジエとそれに続いて走ったヌーヴィルは路面掃除に苦しむことなり、SS5を終えてオジエが10位、ヌーヴィルが9位と低迷することになった。

 後方での戦いになったとはいえ、「ステージの一つ一つがパワーステージのようだ」とオジエが喩えたように、選手権を争う二人にとっては一瞬のミスさえ許されない限界寸前のバトルとなったが、SS6シェアウッドの悪名高いバンプで大きく跳ねたヌーヴィルはバンクに激突、左リヤタイヤをパンクしてしまった。

 ヌーヴィルは必死にマシンを操るもシケインでも曲がり切れずにストップ、リバースギヤを使ったためにここでもタイムをロス、1分近くを失ってしまった。

「選手権のチャンスは減ったが、あと2日間何が起きるか分からない」とヌーヴィルは語った。

「今朝は出走順が2番手で、道路掃除が大変だったにも関わらず、かなり上手く行っていて、目標はセバスチャンより上の順位をキープすることだけだったし、それが出来ていた。午後のステージ勝利はうれしかった。しかし、SS6のいくつかバンプのある長い右コーナーで、ジャンプの着地の際にリムからタイヤが外れ、大きくタイムを失った。だが僕たちはドライブを続ける。そして、日曜日にどんな結果になるか見るつもりだ。まだ初日だし、僕たちは希望を失ってはいけない」

 オジエは、すべてのステージを全精力を注いでプッシュしなければならなかったと初日をふり返ったが、彼はこのままラリーが終わったわけではないと厳しい表情で語っている。

「今日はどのステージも僕たちにとってはパワーステージのようだった。ここの道掃き役は非常に大変で、すべてのステージで思いっきりプッシュしなければならなかった」とオジエは語った。

「トップ争いをできない出走順にいる時は常に少しイライラがつきものだが、僕たちは何もミスしなかった。だが、ラリーはまだ残り2日間もある。選手権のためにも良い順位でゴールすることが、僕とチームにとって今週末の一番の目標だ」

 7位オジエと10位のヌーヴィルとの差は33.7秒。ヌーヴィルは明日の土曜日、ジョルダン・セルデリディスに続いて今日と同じく2番手のポジションで走行することになり、オジエは5番手での走行となる。今日と変わらずドライになればヌーヴィルにとってはふたたび試練となるが、大粒の雨によってウェットコンディションになれば不利なポジションは一転して有利にもなりかねない。

 地元コフスハーバーでは金曜日の夜、森林地帯に霧雨が降っており、明日はにわか雨または雷雨の可能性があると天気予報は伝えている。