WRC2020/10/16

ネステ、ラリー・フィンランドにお別れ

(c) Rally Finland 70 years

 ラリー・フィンランドは来シーズン、70周年記念のメモリアルイベントとして開催されるが、残念ながら26年という長きにわたったフィンランド・ネステとのパートナーシップは今季をもって解消され、新しいスポンサーとともに新しい時代を迎えることになる。

 1948年にフィンランドのエスポーで設立されたネステは、1994年から1000湖ラリー(ラリー・フィンランドの1996年までの呼称)のメインスポンサーとしてイベントへの支援を開始、1997年から2006年まではネステ・ラリー・フィンランドがイベントの正式名称となっていた。それ以降、2015年まではネステ・オイル・ラリー・フィンランドとなったものの、2016年からは新しい時代のエネルギー事業のイメージに従来の石油関連事業だけを指す「オイル」という名前がふさわしくないことから社名を変更、ふたたびネステ・ラリー・フィンランドとなっていた。

 ラリー・フィンランドとフィンランド・ネストのパートナーシップが終わりを迎えるとの情報は、新型コロナウイルスの流行にともないラリー・フィンランドが今季の開催を断念した6月の時点ですでに流れており、ネステ社のマーケティングディレクターであるシルパ・トゥオミは当初から同社のブランド戦略を見直す準備を行っているとコメントしてきた。

 26年以上続いてきたこのパートナーシップは、多くの成功例を生み出してきました。伝統あるフィンランドの伝説的なモータースポーツイベントにとって、この新しい時代は、来年のイベントに向けてラリーのブランドを刷新することになる。

「私たちネステ社は、ラリー主催者であるAKK、FIA、世界ラリー選手権のプロモーターとの長期的な協力関係を高く評価している。過去10年の間に会社のビジネスにも変化があり、再生可能な循環型ソリューションの世界的リーダーになることが私たちの野心となった。また、この目標をサポートするためにブランド戦略を刷新し、ターゲット地域でのネスト事業も刷新することになった。この改革の一環として、スポンサー活動についても検討し、世界ラリー選手権のフィンランド・ラウンドから撤退するという結論に至ることになった。ネステ・ラリー・フィンランドでの忘れることができない経験をすることができたことを前述の関係者、チーム、ボランティア、そしてラリーファンの皆さんに感謝するとともに今後のラリー・フィンランドの成功を祈念したい」

 ラリー主催者であるAKKスポーツCEO代行のマルクス・ハッキネンは、ネステ社のこれまでの支援に感謝したいと述べている。

「これは一つの時代の終わりであり、私たちは満足感と懐かしさを感じながら振り返っている。私たちはフィンランドのスポーツの風景と国民の記憶の両方に永久に残る跡を残し、ラリー・フィンランドの価値と意義を高め、国内および国際的なイベントの地位を向上させてきた。継続的な発展と現代の課題に対応するためには、時として大きな変化が必要です。ネステに心から感謝し、パートナーたちとの強力なネットワークによってフィンランド・モータースポーツの至宝をさらに発展させていきたい」

 ラリー・フィンランドによれば、新しい時代の到来を前に今年の末までにウェブサイトなどすべてのイベントチャンネルを新しい名称に変更する計画であることを明らかにしている。