RallyCross2019/05/27

ハンセンが英国RXで今季2勝目

(c)FIAWorldRallycross.com

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 チーム・ハンセンMJPのティミー・ハンセンは、シルバーストーンで行われた世界ラリークロス選手権第4戦のグレートブリテンRXで今季2勝目を挙げた。

 土曜日に行われたQ1とQ2でトップタイムをマークしたハンセン(プジョー208WRX)が予選トップでファイナルのポールポジションを獲得、フロントローには日曜日に行われたQ3とQ4で勝利したアンドレアス・バックルド(アウディS1)が並び、決勝レースは二人の一騎打ちとなった。

 ファイナルで良いスタートを切ったのはバックルド。ターン1でアウト側からハンセンをかぶせるようにリードを奪い、オーバースピードのためにワイドにならざるを得なかったが、巧みなハンドルさばきで首位をキープすることに成功する。

 ハンセンも1コーナーの内側の壁をヒットしながら、3列目から高速スタートを切って3番手まで一気に浮上したティモ・シャイダー(セアト・イビサ)に猛烈なプッシュを受けながらも2番手をキープしてバックルドへの追撃を開始する。

 ペースに優るハンセンだがバッケルドを抜くまでには至らなかったが、後方に大きなスペースが空いたため、ラップ3でジョーカーを選択、コースに戻るやクリアになったコースでこの日の最速ラップタイムでバックルドとの差を縮めることになった。

 バックルドもリードを維持するために残り2ラップ目でジョーカーを選択したが、ハンドブレーキに問題を抱えていたためにそれを有効に使うことができず、コースに戻った目の前でハンセンにトップを奪われてしまう。バックルドは激しくプッシュし、大接戦が最終ラップのフィニッシュラインまで続いたが、ハンセンが逃げ切って今季2度目の優勝を果たし、選手権のリーダーに立つことになった。

「ファイナルでは、アンドレアス(・バックルド)が僕よりもマシン半台分、良いスタートを切った。最初のコーナーはタイトだった。コーナーを2位で抜けて、僕は超接近した状態でポジションをキープしなければならないと知っていた。ジョーカーラップに入る前、僕は彼のバンパーにぴったりつけていた。そしてジョーカーラップは完璧な走りができた」とハンセンは語った。

「僕はプッシュし続けた。彼もすぐに1周後にジョーカーラップに入った。そして合流したとき、僕のほうが僅かにスピードがあった。彼を後ろに従えたままフィニッシュラインを切った時は最高の気持ちだったよ!」

 バックルドは優勝を逃したとはいえ、2位を獲得したことで今年これまでに参戦したイベントすべてで表彰台の記録を維持して、選手権でも11ポイント差の3位で続いている。

 アントン・マルクルンド(ルノー・メガーヌRS)はオープニングラップで混雑を離れてジョーカーを選択、この戦略が奏功して3位でフィニッシュ、GCKチームから初めて表彰台を獲得するとともに自身の世界RXのキャリアの中では2度目の表彰台となった。

 シャイダーが4位、クリスチャン・サボ(アウディS1)が5位を獲得し、最終ラップでスピンしたもののリアム・ドーラン(アウディS1)が6位に入った。

 チャンピオンシップリーダーとしてイベントに臨んだケヴィン・ハンセン(プジョー208WRX)は、セミファイナル1で兄のティミー・ハンセンを追って2位につけていたが、ジョーカーラップのヘアピンでスピンして6位でフィニッシュ、2ラウンド連続でファイナル進出を逃すことになった。

 ヨニ・ウィーマンは、体調不良のニクラス・グロンホルムに代わって前戦のベルギーRXに続いてチームGRXのヒュンダイi20で参戦、セミファイナルの最前列に残ったが、ジャンプの後の右コーナーでタイヤの壁に衝突して横転、惜しくもリタイアとなっている。