WORLDWIDE2017/11/12

バウムシュラッガーがポロWRCで14回目王座に

(c)BRR Team

 オーストリア選手権最終戦のヴァルトフィアテル・ラリーが11月10〜11日に開催され、フォルクスワーゲン・ポロR WRCを駆ったライムンド・バウムシュラッガーが最終ステージでヘルマン・ノイバウアー(フォード・フィエスタRS WRC)を逆転、14回目の王座を獲得することになった。

 フォルクスワーゲン・モータースポーツのWRC撤退によりカスタマーに提供されたポロR WRCを駆ったバウムシュラッガーは、なかなか勝利に恵まれず、選手権では2年連続王座を目指すノイバウアーのリードを許してきた。しかし、王座奪回を目指すバウムシュラッガーは第6戦ラリー・リーツェンでポロによる初優勝を飾り、2ポイント差に迫って最終戦をスタートしていた。

 最終戦のヴァルトフィアテル・ラリーは、初日のナイトステージからBRRチームのバウムシュラッガーとノイバウアーがバトルを展開、バウムシュラッガーが2.7秒差をリードして初日を折り返したものの、最終日の二人はいっそうヒートアップ、まさしくステージごとに首位が入れ替わる激しい接戦となった。

 ノイバウアーが0.8秒をリードして迎えた最終ステージ、彼はドライブシャフトを破損してしまう。これでバウムシュラッガーが5.4秒差をつけて逆転、8回も首位が入れ替わる激しいバトルを制すとともに自身14回目となるオーストリア・チャンピオンに輝くことになった。

「合計で14回のタイトルを獲得した人は、おそらく世界中に誰もいないだろう。私はそれを少し誇りに思うよ」と58歳のバウムシュラッガーは語った。

「本当に神経をすり減らすようなシーズンだった。ヘルマン(・ノイバウアー)は最後まで抵抗したが、何とかそれを乗り越えた。最後の瞬間までチャンピオンシップは簡単ではなかったよ」

 バウムシュラッガーは、シュコダ・ファビアR5でシーズンをスタートしたあと、第3戦からポロR WRCにスイッチしたものの、WRCでは使用されていなかったピレリタイヤでのセッティングを出すことができずに苦しんだようだ。

「何度も新しいマシンへのセッティング作業を行わなければならなかったからね。なかなか結果につながらず、プレッシャーはどんどん大きくなっていった。感謝しなければならない人がたくさんいるよ。58歳でそんなことをできないと言った多くの人がいたが、それが不可能ではなかったことを立証できた!」