FIAは、チームやドライバーがパワーステージにおいて戦略を使用できないように世界ラリー選手権のスポーティングレギュレーションの変更にむけて動き出すようだが、問題解決のためには6月のワールドモータースポーツカウンシル(WMSC)を待たなければならないため、グラベルラウンドでふたたび戦略が起きることも懸念されている。
ラリー・スウェーデンでポイント圏外だったセバスチャン・オジエがパワーステージでのポイントを獲得するためにタイムコントロールに遅れる戦術を用いてクリーンなより路面を走ってボーナスポイントを獲得しており、先日のラリー・メキシコでもティエリー・ヌーヴィルとオット・タナクが同じようにスタート順を遅らせる戦術を使用している。
FIAはスウェーデン後にチームに対して戦略を用いないことを要請、解決策を検討するよう打診していたが、メキシコでふたたび戦略的なアプローチを用いてのボーナスポイントを狙うケースが発生、4月末のアルゼンチン以降、グラベルラウンドが4戦続くことからFIAは早急な対策を迫られていた。
FIAラリーディレクターを務めるイヴ・マトンは、この問題が次回のWRC委員会で検討され、ルールの変更についてはWMSCを待たなければならないと述べた。
「我々はラリー・スウェーデンのあとでこの問題の検討を行い議論してきた。満足のいく解決策を見つけることが重要だ。問題を解決するにはWRC委員会とワールドモータースポーツカウンシル(WMSC)のプロセスが必要になる」とマトンは語っている。
しかし、2010年のヨルダン・ラリーでスタート前のタイムコントロールに遅れる戦術が横行した時には次戦のラリー・トルコに間に合わせるようファックスによって戦略禁止の新ルール信任投票が行われていることから、今回についてもグラベルラウンドの連戦が始まる前に早期の問題が可能ではないかとの声も挙がっている。