ヒュンダイ・モータースポーツは、ライバルたちのR5マシンを脅かすためにi20 R5のエンジンを含めた重要なアップデートを行うことを発表した。
R5マシンの勢力図は現在、シュコダ・ファビアR5とフォード・フィエスタR5が2大双璧となっており、なかでもファビアR5は、FIA WRC2選手権、3つのFIA地域選手権、14カ国の国内選手権のタイトルを獲得し、さらに今季にはシトロエンC3 R5、フォルクスワーゲン・ポロGTI R5、プロトン・アイリスR5といった新しいライバルたちも登場する。
2016年のツール・ド・コルスでデビューしたヒュンダイi20 R5は昨年、ツアー・ヨーロピアン・ラリーシリーズ(TER)で王座を獲得したが、R5マシンの頂点ともいえるWRC2ではラリー・フィンランドでトム・ケイブが3位でフィニッシュしたわずか1回のポディウムのみといった状況にすぎない。
ヒュンダイは、i20 R5がデビュー以来2年目を迎えるこの夏の投入に向けて可変バルブタイミングの1.6リットルエンジンを開発、新しいエンジンマッピングを導入してさらなる高出力化を目指すという。それとともに1.6リッターターボのエンジン本体もリファイン、アンチラグシステムを見直すことによるレスポンスの改良を狙う計画だ。こうしたエンジンの改良には、デビューから2年経過して初めて使用できるこのモデルでは最後となるジョーカーが使用され、今回の大型アップデートが可能になったという。
しかし、これらは今季i20 R5に行われる唯一の変更ではない。改良されたダンパーとより広い調整が可能となるランプ角をもつディファレンシャルが3月1日にホモロゲーションを受ける計画となっている。
ヒュンダイ・モータースポーツのカスタマーレーシング・マネージャーのアンドレア・アダモは、カスタマーたちがそれぞれの選手権でi20 R5のより高いパフォーマンスを活用して競争力を上げることが可能となると語った。
「私たちはいつもカスタマーたちがチャンピオンシップの最前線で競い合うことができるようにi20 R5を高める努力をするつもりだ。R5カテゴリーでは開発スピードが速いので、これを保証するためにも絶えず作業しなければならない。今シーズンは、より多くのチャンピオンシップでカスタマーたちが競争しているため、すべてのコンディションで彼らがペースを維持できるように作業を継続する必要がある」とアダモは語っている。