WRC2020/06/26

ピレリ、ミケルセンを開発ドライバーに起用

(c)Pirelli

 ピレリタイヤは、アンドレアス・ミケルセンを起用して来月からイタリアのサルディニア島で最初のテストプログラムを始めることを発表した。

 ピレリは2021年から2024年まで4年間にわたって世界ラリー選手権のトップカテゴリーにタイヤを独占供給することになっている。新型コロナウイルスの流行によって4月に予定されたピレリの最初のテストは延期になったが、いよいよ7月からさまざまなロケーションのステージにおいて開発プログラムがスタートすることになる。

 ピレリがタイヤの開発テストに使用するマシンは、シトロエンC3 WRCが採用されている。シトロエンは昨シーズン末にWRCから撤退しているが、C3 WRCは最新のスペックでもあり、現在、選手権に参戦する3つのマニュファクチャラーチームにとって偏りのない、ベストな選択肢となっている。

 ピレリのテストカーはつや消しのブラックに包まれ、イエローのストライプがハイライトとなった特徴的なカラーリングになることが明らかにされており、シトロエンのカスタマーレーシングとしての実績を残しているサンテロックレーシングがマシンのプリペアとテストのサービスを担当することになっている。

 ピレリのラリー・アクティビティ・マネジャーのテレンツィオ・テストーニは、あらゆるコンディションで可能な限り多くの情報を蓄積するための第一歩をサルディニア島で開始すると語った。まずは、この高温下の厳しいグラベルでハードタイヤの耐摩耗性を試されることになるという。

「我々はロックダウン期間中も研究所でのテストを続けてきた。私たちの開発がどこまで進んでいるかを確認するために、クルマとドライバーのベストな組み合わせを選択した」とテストーニは語った。

「現在、世界選手権では使用されていないC3 WRCは、性能面で非常に代表的なものであり、2021年のタイヤをどのチームにとって公平な形で開発することが可能となる。これは、どのタイヤサプライヤーにとっても優先すべきことなのだ」

 昨シーズン末にヒュンダイ・モータースポーツを去ったミケルセンは、レギュラー・コドライバーのアンデルス・ヤーゲルとふたたびパートナーを組んでテストに臨むことになる。彼は2017年のシーズン半ばにシトロエンC3 WRCの開発テストに起用され、サルディニアでこのマシンを駆って8位となったほか、ターマックのラリー・ドイッチュランドで2位となっている。

「アンドレアス(・ミケルセン)は経験豊富なドライバーで、タイヤに対するプロ意識とフィーリングの高さで知られている。タイヤは性能と信頼性の両方を一つのパッケージの中で発揮しなければならないが、これはラリーでは常に最大の課題だ」と、テストーニは付け加えている。