WRC2019/12/18

フォード・ヨーロッパのクインが引退へ

(c)M-Sport

 フォード・ヨーロッパのフォード・パフォーマンス・モータースポーツのシニアマネージャーを務めるジェラルド・クインは、32年以上のキャリアを経て退職することを選択した。

 フォードは金融危機による厳しい経営難によって2012年を最後にWRCから事実上撤退したが、フォード・モーター・カンパニーのヨーロッパにおけるモータースポーツの責任者であるクインはその後もMスポーツへ支援を少なからず続け、WRCにおける栄光のフォード・ブランドの名前を残すために尽力してきた。

 Mスポーツ・フォードは、2017年にはセバスチャン・オジエの加入によってドライバーズ選手権とマニュファクチャラー選手権のダブルタイトルに輝き、クインも最高の瞬間をチームとともにした。クインはフォード本社のWRC復活についての交渉を粘り強く続けたが、残念ながらそれは実現には至らなかった。しかし、クインはチームのタイトル獲得を実現させるべくフィエスタWRCのパフォーマンス向上を図るためにフォード・パフォーマンスから技術支援を取り付け、オジエはMスポーツ・フォードで2018年もドライバーズタイトルを連覇するという偉業を成し遂げた。

「それは噂ではない! 僕は32年を過ごしたフォード・モーター・カンパニーを退職する。そのうち最後の10年はアイルランドのヘンリー・フォード&サン社にいた。素晴らしい人々によって彩られ、誇らしい成果で満ちたキャリアを送ることができた。皆さんの長年にわたるサポートに感謝したい」とクインは語った。

 Mスポーツはソーシャルメディアを通じてクインの退職を惜しむメッセージを発表している。

「クイン、あなたのこれまでの情熱的なサポートに感謝したい。Mスポーツ・ファミリー全体が、あなたの退職後の幸せを心から願っています」

 フォード・ヨーロッパのコミュニケーション・ディレクターを務めるアンソニー・アイルソンは、クインが2020年1月1日つけでフォード・ヨーロッパを正式に離れることを発表するとともに彼のこれまでの活躍を称賛した。

「ジェラルド・クインは、32年以上のキャリアを経てフォード・ヨーロッパを退職することを選択した。ジェラルドは長年にわたってモータースポーツプログラムとプロモーションに尽力し、フォーミュラ4のローカルプログラムから複数の世界ラリー選手権に至るまで大成功を収めてきた。彼の多大な貢献に感謝し、退職後の幸せを心から祈りたい」