WRC2021/03/08

フールモー、「スクールボーイのようなエラー」

(c)M-Sport

 Mスポーツ・フォードのアドリアン・フールモーは、アークティック・ラリー・フィンランドではスノーステージの罠に落ちてリタイアを経験することになったが、成長へのポジティブな手応えを感じる週末だったと語っている。

 フランス人ドライバーがスノーイベントに弱いという定説は、すでにセバスチャン・オジエが3度、ラリー・スウェーデンで優勝しているため、完全に覆されたものとなっている。

 フールモーはキャリア3戦目のスノーラリーとなったアークティックでは、土曜日の午後にスノーバンクでスタックしたためWRC2の9位に終わることになり、モンテカルロのような表彰台に立つという目標達成はならなかった。それでもエサペッカ・ラッピやアンドレアス・ミケルセンといった以前にファクトリードライバーとしてWRCで優勝経験もある北欧系のドライバーたちを相手にしたスノーイベントでの結果はポジティブなものだったと答えている。

「パワーステージでは最後のスプリットまで2番手のタイムだったが、360度スピンをしたソルベルグと同じ場所でミスをしてしまったんだ」とフールモーは語った。

「序盤では北欧の彼らには1kmあたり0.7秒の差をつけられたが、パワーステージはこの小さなミスがあったにもかかわらず、タイムは悪くないものだった。1kmあたり0.2秒遅れだからね。残念ながら土曜日の午後にコースオフしてしまったため、結果は期待していたものではないが、このイベントから多くのポジティブなことを学ぶことになった」

 フールモーは、土曜日にコースオフしてリタイアとなったのは、高速コーナーではなく低速コーナーでの「スクールボーイ・エラー」だったと明かしている。

「コースオフしたのは1速ギヤのスローなコーナーだった。ハンドブレーキを引いても思うようにマシンが動かず、アンダーステアになってしまい、コーナーの出口で右リヤタイヤが道路から外れ、あっという間に雪が積もったディッチの中に滑り落ちてしまったんだ。残念だったのは、チャンピオンシップのポイントを逃したのではなく、本当に学び続けることができなかったことだ」

「そうならないためにも、このコーナーの出口にはスノーバンクはなく深いディッチあることをペースノートに記入しておくべきだったし、二度とそんな失敗はしないよ。一緒に車載カメラを見たマルコム(・ウィルソン)は、このミスを『スクールボーイ・エラー』と呼んでいた。みんなを失望させるのは残念な気分だね。ラリーが猛スピードで進んでいる時に、これほどゆっくりとクラッシュするのは本当に気が滅入るよ」

 アークティックの直前にフォールモーはレッドブル・ドライバーになることが発表されている。彼はセバスチャン・ローブやセバスチャン・オジエのようにレッドブル・カラーのマシンでラリーをスタートすることは光栄だと語っている。

「レッドブルとは昨年10月から話し合いをしてきた。時間がかかったが、モンテカルロの直後に確定した。マシンのカラーリング、レーシングスーツもヘルメットも全てやり直さなければならなかったんだ! しかも、今回のイベントにはスーツが間に合わなかったんだよ」

「二人のセバスチャンに続いて、(レッドブル・)ファミリーの一員になれたのだから、これは僕にとっては嬉しいニュースだよ。とても光栄だし、今の僕はそれに値することを示さなければならないと思っている」

 フールモーは次戦のクロアチア・ラリーでフォード・フィエスタWRCでのデビュー戦を迎える計画だ。すでにアークティックのラリーの前に、ラップランドのスノーステージでテストをする機会があったと語っている。

「あれは魔法のようだった!ずっと笑顔でいられたよ。雪の上をWRカーを走るのは夢のようだったし、半日で120kmの大きなドライブができたのは、まさに幸せそのものだよ」とフールモーは語った。

「アークティックでフィエスタRally2に戻った時にはWRカーのエアロのことは忘れて、頭の中をリセットしなければならなかったが、クロアチアのテストの前にこのマシンのことを少しでも知ることができてよかったと思っている」

「クロアチアの前には、もちろんプレイベントのテストを1日半走る。WRカーでは、ラリーごとにドライバー1人につき1日しかテストができないが、新しいピレリタイヤを学ぶために、僕らとガス(・グリーンスミス)でさらに1日を共有するんだ。そして、もしかしたら2022年のマシンの開発にも参加するかもしれない・・・。が、そのことに関しては、これ以上は言えない」