WRC2020/10/13

ブリーン、ベルギーローカル戦でイープル出撃準備

(c)Hyundai

 先週末のラリー・イタリア・サルディニアで1-2勝利を飾ったヒュンダイ・モータースポーツは、来月のに行われる次戦イープル・ラリー・ベルギーの準備にも余念がない。クレイグ・ブリーンは先週末にベルギーで開催されたアーロヴァ・ラリーで勝利し、イープル・ラリーにむけたウォームアップを行っている。

 ヒュンダイ・モータースポーツの3人目のドライバーとしてイープル・ラリーへの参戦が決まったブリーンは、先週の日曜日にベルギーで開催されたアーロヴァ・ラリー・オーデナールデに初めてターマック仕様のi20クーペWRCで参戦し、余裕の勝利を収めたが、ステージの至る所でぬかるんだ泥の海が広がり、豪雨で道路が冠水したほどの厳しい天候の洗礼を受けている。

 ヒュンダイにとって今回のブリーンの参戦はイープル制覇にむけた重要な一歩となるはずであり、本番にむけたいいシミュレーションになったという側面をもつが、ブリーンはできればドライでのコンディションも経験したかったと残念そうに語っている。

「今まで走った中で最悪のコンディションの一つだった」とブリーンはふり返った。「恐ろしかった。道路の至る所でハイドロプレーニング現象を起こしていた。 600mのストレートを走っても4速ギヤ以上にすることはできず、横から横へ、ずっとスライドしていたんだ」

 初めてターマック仕様のマシンを走らせたブリーンは、少なくともドライで安定したコンディションを期待していた。しかし、それは実現しなかった。

「最初のループではスリックタイヤを履いていたが、それは最悪だった。1つのループだけでもドライで走って感触をつかむことができればよかったんだけどね。シェイクダウンもロールアウトも何もなかった。マシンでタラップを越えて最初のステージまで行って、そのまま突っ込んでいったんだ」

「でも、イープル・ラリーではこういうコンディションになる可能性があるので、(妥協したセットアップで)ドライブするのは理にかなっていたが、本当に本当にトリッキーだった」

 SS2の中盤でワイパーを失ったことで、ブリーンのドライブはさらにトリッキーになった。

「フロントガラスの上に貼られていたステッカーが浮き上がってきたんだ」とブリーンは語った。「雨がステッカーの下に入り込んで持ち上がってきて、ブレードがステッカーに引っかかってワイパーが止まってしまった」

 雨は終盤になると少し和らぎ、来月のWRCに向けて、コンディションについてさらなる知見を提供した。

「僕は一番手出走だった。でも、一日のほとんどの時間は、そのことの意味はあまりなかった。雨があまりに激しくて、道路は常に洗われていたので、汚れや汚染はあまりなく、水たまりとハイドロプレーニングだけだったんだ」

「雨が乾くと、道路は少し汚れてきたので、それは良かった。誤解しないでほしいのだが、タフなイベントだったが、イープルのようなコンディションで実際に走ってみてマシンのフィーリングをつかむことができたのは、非常に有益だった。マシンでたくさんのことを変更したし、セットアップにもたくさん取り組めたし、良かったよ」

 ブリーンは、ワイパーなしでスタートしたSS3以外のすべてのステージを勝利し、1分24.8秒の大差をつけて勝利を手にした。

 ブリーンは今後、10月24-25日にベルギーで行われるサウス・ベルギー・ラリーにも出場してターマックにおけるi20クーペWRCのさらなる経験を積む。