WRC2021/07/29

ブリーンは来年はMスポーツに?

(c)M-Sport

 クレイグ・ブリーンは、世界ラリー選手権がハイブリッドRally1カーに移行する来季は、Mスポーツ・フォードに移籍して新シーズンを迎える可能性があるとドイツのラリーメディアが報じている。

 ブリーンは先日行われたラリー・エストニアにおいてカッレ・ロヴァンペラとの優勝争いに敗れ、2位でフィニッシュしているが、今シーズンの出走はわずか3戦目で、グラベルでの出走は2020年のWRCでエストニアが初開催されて以来となる限定的な参戦では世界のトップレベルで争うには困難だと訴えてきた。

 しかし、ヒュンダイは来季もティエリー・ヌーヴィルとオイット・タナックがフルシーズンを戦い、若きオリヴァー・ソルベルグの参戦のチャンスを増やす可能性が高いため、ブリーンがいくら望んでも来季もまた限定的な参戦になることは変えられない現実だとも言われてきた。

 ブリーンはラリー後の記者会見で、この結果がフルタイムのシート獲得に向けて、チームの上層部に伝わるメッセージになることを願っていると語っていたが、再度そのコメントを読み返すと、それはかならずしもヒュンダイだけを指しているわけではないことが見てとれる。

「僕たちはワールドチャンピオンになりたいと思っているが、シーズンの半分のラリーでチャンピオンになれないことは数学者でなくてもわかる。今のところ、ヒュンダイで快適に過ごせているが、僕にはどうにもできないこともある。もちろん、あらゆる選択肢を検討しており、フルシーズンのチャンスを見つけて、それを最大限に生かす必要がある」

 ブリーンは2011年のWRCアカデミー(現在のジュニアWRCに相当)と2012年のSWRC(現在のWRC2)タイトルをフィエスタで獲得するなど、Mスポーツとの関係は深く、彼のキャリアの原点だったと言ってもいいだろう。

 Mスポーツは、来年のナンバーワンドライバー候補を探していることで知られており、エルフィン・エヴァンスやアンドレアス・ミケルセンが候補として有力視される一方で、同メディアはブリーンが早い時期からMスポーツと話し合いをもっていると報じており、この契約が双方にとって最良の選択肢になりうると伝えている。