Raid2017/11/01

プジョー、2018年をもってダカール撤退へ

(c)RedBull

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 プジョー・スポールは、2018年のチャレンジをもってダカール・ラリーのプログラムを終えることを発表した。

 今年のダカールで1-2-3を飾ったチーム・プジョー・トタルは、来年1月6〜20日に南米大陸を舞台に開催される伝統の一戦に、ステファン・ペテランセル、セバスチャン・ローブ、カルロス・サインツ、シリル・デプレがプジョー3008DKRマキシで最後のチャレンジに挑む。

 新しいテクニカルレギュレーションは2輪駆動マシンにウエイトハンディを課すなどより厳しいものとなり、ライバルたちには重量が軽減されるほか、いくつかの自由裁量が与えられることになった。プジョーはこれまでテクニカルレギュレーションとの戦いがダカール以上の試練となった場合には撤退する可能性があることを示唆してきた。

 プジョー・スポールのスポーツディレクター、ブルーノ・ファマンは次のようにコメントしている。

「今回がプジョーにとっての最後のダカールとなるので、好調をキープして最高のキャンペーンで締めくくりたい。もちろん始まる前から期待できることは何もない。もっとも難しいことは勝った後でもそれを続けることだ」とファマンは語った。

「3008DKRマキシに改良を行った結果、これまでのところ効果が高まったことが証明されたが、さまざまな地形と困難を克服しなければならないダカールでそれが発揮されるかは疑問符付きだ。先日のモロッコ・ラリー(ラリー・ドゥ・マロック)もライバルたちが非常に強いことを思い知らされる結果に終わった。しかし、プジョー・スポールのエンジニアたちは、ワークショップに戻ったあと、1年を通して必死に作業を続けてきた。この素晴らしいチームスピリットこそチームのもっとも強調したいところだ。また、来季のダカールでもドリームチームともいえる体制を継続できるので、パフォーマンスと経験の完璧なコンビネーションとなる」

 チーム・プジョー・トタルのドライバー体制は今季と同じ顔ぶれだが、マシンは性能を最大限に引きだすためにいくつの改良が行われた進化バージョンのプジョー3008DKRマキシとなる。

 3008DKRマキシはこれまでと同様にプジョー・スポールが開発を担当、3リッター・ツインターボエンジンを搭載した2輪駆動マシンとなるが、2018年バージョンは左右それぞれに100mmずつ拡大、安定性が向上したことが最大の特徴となる。さらにサスペンションも細部にわたって改良が施され、ドライバビリティが向上している。

 プジョーの4人のドライバーたちがこれまでにモロッコ、ポルトガル、フランスおいてこなしてきたテストは、1万8000km以上の距離に及ぶことになった。

 前回ウイナーのペテランセルは、プジョーに勝利をもたらし、このプログラムを最高の形で終えたいと語った。

「チーム・プジョー・トタルにおける僕らの目標は、プジョーに再び勝利をもたらし、このプログラムを最高の形で終えることだ」とペテランセルは語った。

「プジョー3008DKRマキシはシンプルだが、これまでの中で最高のマシンだ。美しいカーボンファイバーをはじめとしてテクノロジーの結晶したもので、信頼性、性能、そしてまさに運転の喜びと調和している」

「昨年のダカール連覇は私のキャリアのなかでも最高の思い出だった。今年は、第40回目の記念イベントであり、僕にとっては29回目の参戦になるので特別なイベントになる。十分に準備して体力と精神を整えて、あの素晴らしい景色のなかで最高の走りをみせたい」

 ローブはこれまでに2度ダカールを走ったことがあるが、勝利には恵まれていないため、最後の挑戦で勝利を目指すつもりだ。

「速さを身につけることはできたが、それを勝利につなげるためには、より一貫性を見せなくてはならない」とローブは語った。

「これまでにダカール、シルク・ウェイ・ラリー、モロッコ・ラリーとラリーレイドでは6回しか走っていないことは、まだ経験が不足していること意味している。プジョー・スポールのエンジニアたちは3008DKRの限界を押し上げ、新たに3008DKRマキシを開発してさらにパフォーマンスを高めることになった。素晴らしいフィーリングだが、ダカールは予想のできないイベントなので、すべてを出し尽くして優勝を狙って行きたい」

 2018年ダカールは、ペルー、ボリビア、アルゼンチンを駆け抜けるおよそ1万kmにわたり、砂丘、山道、砂漠など15ステージが設定される予定となっており、公式ルートの詳細は主催者のASOによって11月22日に発表されることになっている。