RallyCross2018/06/29

プジョー・トタルの母、スーザン・ハンセン

(c)Peugeot

(c)Peugeot

 世界ラリークロス選手権のライブ中継を観たことがある人なら、彼女のラリークロスへの愛情や親しみやすい性格などきっとご存じだろう。チーム・プジョー・トタルの男性陣を支える、パワフルな彼女の名は、スーザン・ハンセンだ。彼女はチームコーディネーターとして、ドライバーだけでなくチームのすべてのメンバーにとって、不可欠な役割を担っている。

 プジョーのドライバーであるティミー・ハンセンとケヴィン・ハンセンにとって、チームコーディネーターとの関係はさらに特別なものだ。彼女は彼らの母親でもあるからだ。

 基本的にチームコーディネーターは、大きなオーケストラの指揮者のような役割だ。チーム・プジョー・トタルチームの約40人の情熱的な人々全員の足並みを揃え、皆の呼吸を合わせ、一人一人にこれからすることを自覚させる、非常に重要な役を担う。スーザンはチーム・プジョー・トタルのすべてのレーススケジュールを作成し、誰もが適切なタイミングで適切な場所にいることを確認し、すべてのメンバーが自分の能力を最大限引き出すために必要なすべての情報を持てるように整えている。そして各イベントの前、中、後に情報を絶えず交換し、疑問を持つメンバーにとって常に最初の参照先となっている。

 それは、完ぺきな組織能力や冷静で柔軟な気質が求められる多面的な役割だが、しかしおそらく最も重要とされるのは長年の経験だ。

 14回のヨーロッパ・チャンピオンでプジョーの現チームマネージャーであるケネス・ハンセンを夫にもつスーザン自身も、1994年に1400カップ・カテゴリーで総合優勝し、ヨーロッパ・ラリークロスのタイトルを獲得した最初の女性となった。

「1994年のシーズンは、私とケネスにとって大きな年だった。私たちは、スウェーデン選手権とヨーロッパ選手権の異なるカテゴリーを総合優勝した」とスーザンは語った。

「それは素晴らしい年だった。ティミーは2歳で、小さなチームとして家族と同行した。私はドイツでヨーロッパのタイトルを獲得した日を覚えている。まるで飛んでいるような気持ちだった。夢だった。私はそれを達成できたことにとても感謝している。そして、私はケネスが常に私を一番に支えてくれたことを言わなければならない。私が自分自身や自分の才能、あるいは自分にできることを疑問に思った時、彼はいつでも『もちろん君にはできるよ』と言って励ましてくれた」

「家族や友人たちのサポートがなければこの仕事で成功することは不可能だった。ラリークロスは25年にわたって私の人生そのものであり続けているが、人生への情熱を子どもたちと分かち合うことができていることは本当に幸せなことだ」

 彼女のスポーツに対する衰えない情熱と、ほぼすべての不測の事態を予測する能力から、スーザンは広く尊敬されている。彼女は多くの点において、ティミーとケヴィンにとってだけでなく、チーム・プジョー・トタルの全員にとっての母と言える存在だ。