Raid2022/01/04

ペテランセル、優勝争いを忘れてテストに専念へ

(c)RedBull Content Pool

 アウディ・スポーツからダカール・ラリーに挑むステファン・ペテランセルは、電動ドライブトレインをもつアウディRS Q e-tronでの初勝利が期待されていたが、第1ステージのアクシデントでその夢は消えてしまった。

 ペテランセルは、土曜日のプロローグで戦術的な走りを見せて14番手という控え目なタイムで走行、ここでトップ10に入ったマシンは日曜日の第1ステージのセカンドパートのスタート順を自由に決めることができるため、彼はその労せずにオープニングステージを14番手という後方からの有利なポジションでスタートすることになった。

 ペテランセルは最初のウェイポイントでは有利な条件を利用して、最終的にステージ優勝したトヨタのナッサー・アル-アッティーヤからわずか6秒遅れの2番手タイムで発進、スタートから160km地点の第2ウェイポイントではトップに立つと見られていたが、激しい衝撃でRS Q e-tronのリヤアクスルを大破、修理不可能なダメージを負ってしまった。

 ペテランセルは、最初のステージなのでリスクを冒さないペースだと感じていただけにこのアクシデントには驚いたと明かした。

「ちょっとびっくりしたよ。リアに衝撃が加わってリムが破損し、それがホイールをふさいでしまったんだ。その影響でアクスルが折れてしまった。すべてがねじれ、リアは完全に壊れてしまった」

「岩がいくつかあって、少しくぼんでいるのが見えた。おそらくテストでは遭遇していないことで、予想もできなかったことだ。アタックモードでも何でもなく、最初のステージなのでリズム良く走っていただけなんだ」。

 ペテランセルは、アウディ・スポーツのアシスタンストラックを待ち、数時間遅れてビバークへと戻っている。16時間のペナルティが科されたため、トップからは23時間遅れの69位でのリスタートとなるが、ダカールレジェンドは楽観的で、新型ハイブリッド電気自動車のテストプログラムを完了させることに目を向けている。

「優勝争いのことはもちろん忘れて、チームメイトのカルロス・サインツとマティアス・エクストロームを助けることができる」とペテランセルは語った。

「あとは、マシンのポテンシャルを最大限に引き出し、ステージ優勝を目指し、自分のため、チームメイトのため、あるいはショーのためにレースを走りたい」