Raid2017/01/13

ペテランセル、再びダカールの首位に

(c)Peugeot

 2017年ダカール・ラリーの第10ステージは、チーム・プジョー・トタルのステファン・ペテランセル(プジョー3008DKR)がバイク部門の選手と接触したため、同じくプジョーのセバスチャン・ローブが暫定的にステージ勝利を手にすることになった。しかし、ゴール後、ペテランセルに対しては事故後にバイクの選手を助けるためにマシンを停止したことへのタイムの救済措置が取られ、ローブに代わってペテランセルがステージ勝利を獲得し、総合順位においてもローブを抜いて首位に立っている。

 1月12日に行われたチレシトからサン・フアンへ向かう第10ステージは、449kmの競技区間となり、途中に90kmのニュートラリゼーション区間が置かれた。水曜日のスーパー・ベレン・ステージがキャンセルされたことによって今大会で最長のステージとなった。ローブはペテランセルより約2分早くこの日をスタートしたが、最初のウェイポイントまでにそのリードの大半を失った。しかし、その後すぐ、ペテランセルがスロベニア出身のKTMライダーのサイモン・マルチックと衝突した。

 マルチックはこの事故で足を骨折したと見られ、ペテランセルは医療スタッフが現場に到着するまで彼を助けるために約10分間停止した。しかし、ローブもラフなルートに苦戦して、チームメイトのシリル・デプレ(プジョー3008DKR)に抜かれることになってしまった。

 ニュートラリゼーション区間の後、ローブはペースを上げてデプレをオーバーテイクし、最終的に2分33秒のリードを築いてフィニッシュした。ペテランセルには約7分差をつけて暫定の首位キープが確定したかにもみえた。

 しかし、大きくロスして3位でフィニッシュしたペテランセルは、自身との接触によってマルチックが負傷したとはいえ、ブッシュから突然現れたライダーとの接触を避けるためにマルチックが急ブレーキで転倒したことが原因だったため、ペテランセルがマルチックの助けを待つために停止した時間が救済されることになった。これでペテランセルがローブを逆転、5分50秒差をつけて首位に立つことになった。



 プジョーとの戦いを続けていたライバルたちにとっても、非常に厳しい一日となった。チーム・オーバードライブ・トヨタのナニ・ローマ(トヨタ・ハイラックス)は道を失ったために30分以上を失うことになり、どうにか4位をキープしたものの3位のデプレからも35分以上も突き放され、プジョーの1-2-3を崩すことは困難な状況となってきた。

 また、Xレイド・チーム勢のトップとして5位につけていたミッコ・ヒルボネン(MINIジョンクーパーワークス・ラリー)はトラックと衝突するという悪夢の一日となった。

 ヒルボネンはこの衝突でMINIのラジエータとギヤボックスを損傷したために、修理のために4時間40分あまりも遅れることになり、15位まで遅れることになってしまった。

 ヒルボネンの転落によって、TOYOTA GAZOO Racing SAのジニール・ド・ヴィリエ(トヨタ・ハイラックス)が総合5位に浮上した。Xレイド・チームのオルランド・テラノヴァ(MINIジョンクーパーワークス・ラリー)が約2分遅れで総合6位につけている。

■第10ステージ順位
1. ステファン・ペテランセル(プジョー)24h58m43s
2. セバスチャン・ローブ(プジョー)+05m50s
3. シリル・デプレ(プジョー)+25m40s
4. ナニ・ローマ(トヨタ)+01h00m55s
5. ジニール・ド・ヴィリエ(トヨタ)+01h42m54s
6. オルランド・テラノヴァ(MINI)+01h45m21s
7. ボリス・グラフリック(MINI)+03h26m34s
8. ヤクブ・シュゴンスキ(MINI) +03h53m40s
9. ロマン・デュマ(プジョー)+03h57m43s
10. カリド・アル-カシミ(プジョー)+04h24m17s