WRC2017/04/29

マキネン、「まるでダカールのようなステージ」

(c)Toyota

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 TOYOTA GAZOO Racing WRTはラリー・アルゼンチンのDAY1で荒れた大地の洗礼を受けることになった。チーム代表のトミ・マキネンは、まるでダカール・ラリーのような過酷な路面だったと一日をふり返った。

 アクロポリス・ラリーを思い出させるほどラフで、大きな石が転がるハードな道が続いた金曜日、多くのクルマがトラブルやアクシデントに見舞われるなか、ヤリ-マティ・ラトバラは、グラベルラリーでは不利となる早い出走順ながら、朝のループを終えた時点で総合2位につけることになった。だが、午後のステージでエンジン温度の上昇とパンクに見舞われタイムロス。それでも粘り強く走り続け、総合6位で困難な1日を走り切った。

 一方、チームメイトのユホ・ハンニネンは午前中にエンジンパワーが上がらないトラブルで遅れをとったが、日中のサービスでメカニックとエンジニアが問題を解決し、9位で金曜日を終えている。

 マキネンは、過酷なステージで2台がそろって初日を完走できたことでヤリスWRCの強さが証明されたと語った。

「多くの人が言うように、今日のステージはWRCよりも、同じくアルゼンチンの大地を舞台とするダカール・ラリーに近いラフな路面コンディションだったが、ヤリスWRCは2台揃って1日を走り切り、その強さを証明した」とマキネンは語った。

「いくつか小さなトラブルが起こったのは事実だが、いずれも既に解決できており、多くの事を学ぶことになった。このようなラリーではクレバーに戦うことがとても大切だが、両クルーはいくつかのアンラッキーな出来事にもかかわらず、困難なコンディションにうまく対処し、持てる力を最大限に発揮した。また、レッキの時とは路面の状態が大きく異なったため、難しい条件下での走行になったが、彼らは良く対応したと思う」

 ラトバラはスタートしてすぐに過酷な一日になることを覚悟したと語った。

「最初のステージをスタートしてすぐに、道がとても荒れていることに驚いた。クルマの下まわりを保護するサンプガードが5回ほど路面に強く当たり、大変な1日になるだろうと覚悟した」とラトバラは語った。

「午後のリピートステージは道がさらに悪くなるだろうと予想し、下まわりを打たないように車高を高くしたけれど、ハンドリングに関しては自信を持てなくなってしまった。SS8のスタート後しばらくして、岩を避けようとラインが膨らんで右リヤがバンクに当たってしまった。タイヤがリムから外れてしまったが、そのままフィニッシュまで15kmぐらいタイヤ交換をせずに走り切った。ツキがなかったが、それでもきちんと1日を走り切ったので、クルマにいくつか改善を施し、残る2日間の戦いに臨むつもりだ」

 ハンニネンはラフなステージを走り切るために集中し続けた一日だったとふり返った。

「コースは1日を通してラフだったので、ただひたすらステージを走り抜くことに集中した」とハンニネンは語った。

「午前中にはパワーが落ちるトラブルが発生し遅れをとったが、幸運にも日中のサービスで問題点を見つけて解決できたので、午後はトラブルなく走ることができた。また、午前中には路面のバンプ(出っ張り)に当たって空力パーツの一部が破損し、その結果ハンドリングが少し神経質になったが、それほど大きな問題ではなかったので幸運だったよ。明日は、少しでも順位を上げられるように頑張るつもりだ」