WRC2017/03/23

マーシャル、パッドンとの挑戦は新しいステップ

(c)Hyundai

 セバスチャン・マーシャルが今年の初め、ケヴィン・アッブリングのコドライバーから身を引いた時、それは奇妙な決断に見えたが、彼がヘイデン・パッドンと組むことが発表されたことで、ようやくその真意がはっきりした。

 プジョー・ラリーアカデミーのプジョー208T16でERCに参戦した2014年、アッブリングとマーシャルは何度も首位を走りながらも優勝にはとどかなったものの、その印象的な走りによってヒュンダイをドライブするチャンスを手にすることにつながった。二人は困難な時期をともにしながら一歩ずつ成長してきたものの、今年の1月3日、マーシャルは自身のSNSにおいて突然、アッブリングとのコンビを解消することを発表し、世界を驚かせていた。

「3年にわたってケヴィン(・アッブリング)とラリーに挑戦してきた。ERCではプジョーでいつも勝利を目指してきた。そのあとはヒュンダイで3台の開発に関わり、初めての僕にとっての国際イベントの勝利を(ラリー・デュ・ヴァールで)経験し、初めてWRCのステージウィンとポイントも獲得することができた。しかし、僕は新しいチャレンジをする時だと決意した。次のステップについては間もなく話せるだろう。開幕戦ラリー・モンテカルロでのケヴィンとマルテン(・ウィダーハ)の健闘を願っている」

 マーシャルはその後もラリーに参戦することもなく、ニュースもないままに月日が経ったが、3月15日になってパッドンとマーシャルの新しいコンビ誕生の発表があったことで、このミステリーはやっと解決することになった。

 マーシャルは、パッドンとの新しいチャレンジを楽しみにしていると語った。

「これは僕にとって大きなチャンスだ。優勝の実績と手腕を持つヘイデンと共に、マニュファクチャラーチームから最高レベルで競争する機会を得られることに、とても喜んでいる」とマーシャルは語った。

「世界選手権のフル参戦プログラムを持ち、お墨付きを貰ってジョンから仕事を引き継ぐことは、僕にとって次のステップだ」

 パッドンと英国出身のマーシャルはすでに一緒にテストを開始しており、先日のアルガニルにおけるポルトガル・テストでもマーシャルはペースノートを読んでいる。二人は今月末にはラリー・サンレモに初めてペアで参戦し、初めてのWRCは8月のラリー・ドイッチュランドとなる。

「ジョン(・ケナード)は12年前、リタイアしようとニュージーランドに戻ったが、リタイアする代わりに、彼は僕のクルマに乗ったんだ」とパッドンは語った。

「しかし、彼がリタイアする暇はなかったね! そして今回も、彼にとってリタイアではない。彼は完全にチームの一員のままだし、これからもずっとこの旅の一員だ。彼がこれまで僕のためにしてくれたことに、僕はいくら感謝してもし足りないよ」