WRC2019/06/19

ミケルセン、逆転を諦めずにプッシュし続けた

(c)Hyundai

 ヒュンダイ・モータースポーツのアンドレアス・ミケルセンは、ラリー・イタリア・サルディニアの最終ステージでエルフィン・エヴァンスに追いつけなかった場合には、チームメイトのティエリー・ヌーヴィルのドライバーズ選手権のためにチームの戦略によってゴールの前に彼のポジションを譲る可能性があったことを認めた。

 ミケルセンは、4位のエヴァンスの後方7.9秒差の5位で最終日をスタート、オープニングSSでベストタイムを奪って発進したが、エヴァンスが前日のSS15においてタイヤ交換で遅れたクリス・ミークが巻き上げるダストのなかでスタックした時のタイムロスを考慮され、スチュアードにより7秒が救済されることになったため、この時点でミケルセンの遅れは14.7秒へと転じることになった。

 ミケルセンはそこで諦めることなくさらに連続ベストタイムを奪って猛然とプッシュ、最終ステージでのエヴァンスのミスを誘って0.9秒差で逆転に成功する。さらに首位のオイット・タナクがトラブルのために5位に後退するというドラマによって、ミケルセンは値千金ともいうべき3位のポディウムに立つことになった。

 限界を超えた走りで逆転を成功させたミケルセンは、素晴らしいポディウムになったことに感激していた。

「最終日をスタートする時、僕たちは7秒差なら逆転の可能性は十分あると思っていた。でも最初のステージのあと、僕たちが7秒と思っていた差が14秒に訂正されたのを知ってもう無理かと思ったよ。それでも諦めずにプッシュして彼にプレッシャーをかけ続けた。本当に限界ギリギリだったが、それはうまくいったよ」

 ミケルセンは、エヴァンスを捕らえることができなかったら、チームの戦略を受け入れてヌーヴィルを先行させるつもりだったと告白した。もしクラッシュしてもチームメイトがすぐ背後にいるためチームのマニュファクチャラーポイントは変わらないという安心感から限界まで攻めることができたと打ち明けた。

「もし僕がエヴァンスに追いつけなかったら、もちろんティエリーのドライバーズ選手権を助けていくことになっただろう。でも同時に、エヴァンスを捕らえようとして僕に何かが起こっても、後ろにはティエリーがいてくれたので、僕としてはリスクを負って多くを失うことを恐れずにプッシュすることができたというわけだ」
 
 ミケルセンは今季、シートをセバスチャン・ローブに譲るイベントがたびたびあったが、この表彰台によって存在感を示すことができたと感じている。

「残念ながらオイット(・タナク)のトラブルで得られた結果ではあったが、今回1−3フィニッシュを飾る事ができたのはうれしいし、最終日に4つのステージすべてにおいてベストタイムを獲れたのは最高の気分だよ」とミケルセン。

「確かに僕たちのパフォーマンスにはアップダウンがあって、いくつかのラリーを欠場することになった。もちろん僕だってラリーを全部走りたいし、それを実現するための僕たちは本当に精一杯努力を続けている。そこに近づけることを今日は示すことができたと思う」