WRC2018/10/26

ミシュラン、スペインは5種類2000本のタイヤ用意

(c)Michelin

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 世界ラリー選手権で唯一のミックスサーフェスをもつラリー・デ・エスパーニャでは、レグ1のグラベル・ステージとレグ2以降のターマック・ステージではそれぞれ使用するタイヤが異なるためイベントを通して5種類のタイヤが用意される。つまりスペインでは、予測不能の天気で知られるシーズン開幕戦のラリー・モンテカルロの4種類をも上回るタイヤバリエーションが必要になるわけだ。

 スペインは木曜日の夜にバルセロナ市街地でのターマックでのステージで開幕するが、このステージを含めて金曜日はグラベルタイヤで走ることになる。ミシュランが用意したグラベルタイヤのLTXフォースはハードタイヤ(H4)とミディアム(M6)の2種類。ドライバー1人に対してハードタイヤが14本+ミディアムが10本割り当てられ、そのうち14本が本番で使用可能となる。シェイクダウンはこれら割り当て数の範囲で自由にコンパウンドを選ぶことが可能であり、それらは本番の使用数にはカウントされない。

 また、金曜日の夜のサービスでは通常の45分ではなく75分の作業時間が許され、ラリーカーは土曜日のターマック・ステージにむけてサスペンションとトランスミッションがターマック仕様に変更される。

 ターマック・ステージにむけてミシュランが用意したドライタイヤのパイロットスポーツは、ハードタイヤ(H5)とソフトタイヤ(S6)に加えてフルウェットタイヤ(FW3)の3種類となる。ドライバー1人に対してハードが16本、ソフトが12本、フルウェットが8本が割り当てられ、このうち16本が使用可能となる。

 ミシュラン・モータースポーツのWRCプログラムマネジャーを務めるアルノー・レミーは次のように語った。

「スペインは世界選手権で唯一、グラベルとターマックのミックスサーフェスのイベントとなるため、タイヤメーカーにとってロジステックスの観点からも少々やっかいなことになる。タイヤの総数2000本を上回り、トップドライバーのためには5種類のタイヤを用意しなければならないからね。実際、ドライバーはスペインではモンテカルロより選べる種類が多いからね。もっとも長いグラベルステージはラ・ファタレーヤ〜ヴィラルバ(昨年のテーラ・アルタの逆走)となるが、ターマックのセクションがいくつか含まれるため、ここでのタイヤ・マネージメントが大きなギャップに発展することになる」

 また、スポーティングレギュレーションの改定によって、競技車両は一般道におけるロードセクションおよびスペシャルステージのスタートの時点においてタイヤが4輪とも正常に回転する状態であることが求められることになった。サスペンションがぐらついてホイールに角度がついていたり、タイヤがブローしたような場合には違反とみなされ、スチュワードは最悪の場合には失格の処分を下すことになる。そのため、タイヤについても今後はいっそう慎重なマネージメントが求められることになりそうだ。