WRC2018/02/21

ミーク、戦略的リタイアでメキシコ連覇を狙う

(c)Citroen

 シトロエン・レーシングはラリー・スウェーデンの最終ステージのあと、クリス・ミークを戦略的なリタイアさせることを決定した。ミークはFIA規定64.2条に従い、次戦のラリー・メキシコでは新しいエンジンをシーリングして使用することが可能となり、リフレッシュしたC3 WRCで連勝を狙う。

 選手権の上位陣がそろって困難な走行コンディションに苦戦したスウェーデンの金曜日、ミークも朝のループでフレッシュスノーのレイヤーに走行を阻まれて10位にとどまることになった。彼は2日目にスノーバンクにノーズから接触するという小さなミスを犯し、この結果、ターボを破損してリタイアに追い込まれてしまった。

 ミークはラリー2の規定に従って最終日のファイナル・レグに37位というポイント圏内には遠く及ばないポジションで復帰、今後のための経験といくつかの課題を克服するために一日を走りきったが、最終のサービスのあとタイムコントロールにチェックインすることなくラリーを終えるというチームの決定に従うことになった。

 ミークはこの戦略的なリタイアによってエンジンをはじめとしたいくつかのパーツをリフレッシュして昨年優勝しているメキシコに臨むことができる。7番手というまずまずのポジションからスタートすることになり、2018年のシーズンを軌道に戻す計画だ。

「スウェーデンは僕たちにとって難しいラリーとなった。金曜日のおよそ理想とはかけ離れたスタート順のおかげで、僕は少しも自信を得ることが出来ず、結果的に僕たちがまた土曜日も最初の方にコースに出るということを意味した。僕はそれでもなお、10位に与えられるせめてものポイントを獲得しようと懸命に頑張っていたところ、低速でスノーバンクに突っ込み、ターボを損傷してしまった。これはとてもアンラッキーだった」

「僕はメキシコから挽回をはかっていきたいと思っている。次に控える4つのラリーのうち、僕はすでにその3つで勝利を経験しているし、コルシカについても昨年、僕は途中までリードしていたという事実がある。次戦から本格的に調子を上げていけると信じている」

 シトロエン・レーシングのディレクター、ピエール・ブダールは、スウェーデンのミークの結果が単なる不運によるものだとして彼を擁護するとともに、次戦メキシコからの巻き返しが可能だと楽観視している。

「クレイグ(・ブリーン)が2位という結果を示して、彼とC3 WRCのパフォーマンスの高さを終始示したことは我々が続けてきた努力に報いるものになった。クリス(・ミーク)に関しては、彼のレースはデイ1のロードポジションによってスタートから阻まれることとなった。それでも彼はチームリーダーとしても役割を全うし、不運に苦しみながらも少しでもポイント獲得しようと必死だった。彼は本当にツイていなかったと言える。なぜなら、あのくらいのマイナーなミスであれば、あれほどまでの深刻なダメージに至ることはあまりないからだ。でもポジティブな面に焦点をあててみよう。昨年優勝を飾っているメキシコでは彼はいいスタートポジションで走ることができる! ということだ」