WRC2017/10/20

ミークがマクレーのクサラWRCをドライブへ

(c)Citroen

(c)Citroen

 10月19日から22日にかけてサンマリノで開催される「ラリー・レジェンド」で、シトロエン・レーシングのクリス・ミークが、彼の恩師ともいえる今は亡きコリン・マクレーが駆ったシトロエン・クサラWRCをドライブする。

 イタリアのファンはモータースポーツ愛が強いことで知られているが、世界ラリー選手権の歴史を築いたドライバーとマシンに対しては、ほとんど信仰に近い尊敬の念を抱いている。こういった背景の元で創設されたヒストリックイベントの祭典「ラリー・レジェンド」は、毎年素晴らしいラインナップを集め、今年もサンマリノに140台以上のマシンが集結する予定だ。

 2017年のイベントは、亡きコリン・マクレーに捧げると題され、2007年9月15日にスコットランドの自宅近くでヘリコプター事故によって命を落としたマクレーの10周忌イベントとして開催される。

 スバルやフォード・ワークスで通算25勝を挙げた、スコットランド出身のマクレーは、1995年にワールドチャンピオンに輝いており、そのリミットを打ち破るようなドライビングスタイルによって、マクラッシュと呼ばれるようになった伝説のドライバーだ。

 マクレーは、ミークがJWRCに参戦するための資金を援助するなどそのキャリアにおいて重要な役割を担ったことでも知られている。マクレーが2003年にシトロエン・ワークスに在籍した当時にドライブしていたクサラWRCを、それから10年あまりの月日が経って自身が追悼イベントでドライブすることに、ミークはひときわ感慨深い思いでいる。

「若い頃、僕は彼の大ファンだった」とミークは語った。「16歳の時、僕はお金を貯めて、彼がラリー・カタルーニャでドライブするのを見に行った。その後、僕はMスポーツの設計部のエンジニアとして働き始めた。だが僕はドライバーになりたいと思っていた。そしてヤング・ラリー・スター選手権に勝利し、自分の夢を実現することができた」

「僕の最初のシーズンは劇的に良いわけではなかったが、コリンは僕に気付き、面倒を見てくれた。彼は僕の上達を後押しし、そしてジュニアWRCに参戦するのを助けてくれた。今でも彼は、おそらく僕が最も恩を感じている人物だよ」

 ラリー・レジェンドでは、ふだんはミークのグラベルクルーを務めるディレク・ブレニガンが彼のコドライバーを務める。

「彼に寄せる想いとは別に、このマシンをドライブすることは常に喜びだ。このマシンは2003年に製造されたが、今でも信じられないほど安定して速い。だがそれ以上に、僕の目的は、コリンを想い敬意を表してくれるファンに、良い時間を過ごしてもらうことだ」

 また、マクレーと因縁のあるドライバーやコドライバーたちがこのマクレー・トリビュートのラリー・レジェンドには参加を予定しており、セバスチャン・ローブもこのイベントに参加し、シトロエンC4 WRCをドライブするほか、セバスチャン・オジエは、昨年の世界ラリー選手権を制したフォルクスワーゲン・ポロR WRCを再び駆ることになっている。