WRC2023/03/17

メキシコ開幕、タナクが初日をリード

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 2023年世界ラリー選手権第3戦のラリー・メキシコは16日木曜日の夕方に古都グアナファトで行われた2つのストリートステージで開幕、Mスポーツ・フォードのオイット・タナク(フォード・プーマRally1)がリードを奪っている。

 前回のラリー・メキシコはコロナウイルスのパンデミックがちょうど始まった時期での開催となり、最終日の日曜日がキャンセルされる事態となった。あれから3年が過ぎ、復活したメキシコを祝うためにストリートステージGTOには多くの観客が集まり、カーニバルのような雰囲気でマシンを迎えた。

 メキシコのオープニングステージとしてすっかり定着したストリートステージGTOはユネスコの世界遺産となっている銀鉱跡に作られた地下トンネルとグアナファトの市街地を舞台とした1.12kmのステージを連続して2回走行する。トンネルのなかのタイトなコーナーは水たまりがあるほか、石畳の路面に砂がのって滑りやすくなっており、路肩には高い縁石が待ち構えている。短いが慎重なドライビングが必要となるステージだ。

 ここでは2台のRally2マシンを先頭にRally1カーも選手権ランキングのリバース順で走行したため、最初のステージでは選手権をリーダーのタナクがトップタイム、0.8秒差の2番手タイムにカッレ・ロヴァンペラ(トヨタGRヤリスRally1)が続くことになった。そして2回目の走行でもタナクがベストタイム、0.9秒差の2番手タイムにロヴァンペラとともにエサペッカ・ラッピ(ヒョンデi20 N Rally1)が続くことになり、木曜日を終えてタナクがリード、1.7秒差でロヴァンペラ、2.2秒差の3位にラッピという展開だ。

 タナクはオーバーナイトリーダーとなったが、明日の金曜日は一番手で走行し、路面に積もったルースグラベルの掃除をするという大仕事が待つことを覚悟している。「今日は楽しかった。明日は仕事だ。簡単な一日ではないだろうが、最大限の力を発揮する必要がある。このマシンでグラベルを走るのは初めてなので、明日がどうなるか見てみよう」

 ラッピから0.6秒差、トップから2.8秒差の4位にはティエリー・ヌーヴィル(ヒョンデi20 N Rally1)とともにセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリスRally1)が同タイムで続いている。オジエは「今夜は縁石に近づかないことが大事だった。明日からが本当のラリーだ」と語っている。

 二人から0.5秒差の6位にはエルフィン・エヴァンス(トヨタGRヤリスRally1)、7位にはダニエル・ソルド(ヒョンデi20 N Rally1)、8位にはピエール-ルイ・ルーベ(フォード・プーマRally1)、9位にはメキシコ初挑戦の勝田貴元(トヨタGRヤリスRally1)が続いている。

 明日の金曜日は、29.07kmのタフなエル・チョコラテ・ステージから始まる118.86kmの一日となる。