WRC2020/09/26

モンツァ・ラリー、コモ湖周辺ルートも追加か

(c)Monza Rally Show

 
 今シーズンの世界ラリー選手権最終戦としての開催が噂されるモンツァ・ラリーショーの周辺がにわかに騒がしくなってきた。F1イタリアGPの舞台として知られるモンツァ・サーキットのグランドスタンドは最大で2万人の観客を収容可能であり、ワールドチャンピオン誕生を熱狂的なイタリアの観客が祝うことになるのだろうか。

 ヨーロッパ全土でふたたび新型コロナウイルスの感染者が増加しているため、今季に残されたラリー・イタリア・サルディニアと11月のイープル・ラリーの2戦が問題なく開催されるかどうか、あるいは新たにイベントが追加されるかどうかについては予測するのは難しくなっている。しかし、イタリア北部のモンツァ・サーキットをベースに2003年から開催されてきたモンツァ・ラリーショーについて、今季のWRC最終戦としての開催するためのいくつかの具体的なプランが明らかになったといくつかの情報筋が伝えている。

 モンツァ・ラリーショーは金曜日の夜のナイトステージで開幕したあと、日曜日の昼にゴールを迎えるスタイルで行われ、基本的にはミラノ近郊のモンツァ・サーキット、バンクをもつオーバルの旧コース、そしてショートコースやモンツァ国立公園の中にある施設道路で開催されており、昨年は2日半間で8SS/159.24kmのルートが設定されていた。

 WRCは今季、300kmを満たさなくても開催が許されることを特別なルールとして認めているが、それでも200kmを超えるアイテナリーが必要となっていることから、モンツァ・サーキットのWRCラウンドは、モンツァ・ラリーショーから独立したモンツァ・ラリーとして開催し、モンツァ・ラリーショーのおなじみのコースと同時に40kmほど北に位置するコモ湖周辺のステージがルートに組み込まれるという。

 イタリアメディアのストリー・ディ・ラリーによれば、ヴァルカヴァルニヤ〜ソルマノのステージのほかコモでは2つのステージが行われ、近隣のヴァレーゼ地方のステージが準備されており、すでにACコモとACヴァレーゼのクラブはイベントに協力を表明しているという。サーキット単体でのイベントにWRCプロモーターが難色を示したのは、距離が不足していることだけが理由でなく、過去にモンツァ・ラリーショーに参加したことがないトヨタGAZOOレーシングからカレンダー追加への反対意見が出ないようにするための措置だと伝えている。

 また同メディアは、モンツァ・ラリーショー主催者はWRC開催が実現した場合には、伝説的なモトGPライダーであり、過去、モンツァ・ラリーショーで7度の優勝経験をもつヴァレンティーノ・ロッシをゲストとして招待し、WRCのトップドライバーの対決を見たいと発言したという注目すべき記事を掲載している。

 また、来年からWRCへのオフィシャル・タイヤ・サプライヤーとなるピレリは、モンツァ・ラリーでのシーズンフィナーレが重要なプロモーションの舞台になるとして興味を抱いているとの情報だ。モンツァ・ラリーショーは12月4日-6日に開催される予定。