WRC2020/09/27

モンツァ・ラリーのWRC最終戦はトヨタに不利?

(c)Monza Rally Show

 モンツァ・ラリーショーは、今季の世界ラリー選手権のシーズンフィナーレを飾る可能性があると言われているが、このイベントへの参戦経験をもつドライバーが一人もいないトヨタGAZOOレーシングWRTにとっては不利な最終戦になるかもしれない。

 モンツァ・ラリーショーは、イタリア北部のサーキットであるモンツァ・サーキットを舞台として2003年からスタート、いまでは多くのトップドライバーも参戦してイタリアにおけるモータースポーツシーズンを締め括るイベントとして定着しており、今季のWRC最終戦としてカレンダーに加わるかどうか注目されている。

 とはいえ、これまでにWRCに昇格となったラリー・エストニアとベルギーのイープル・ラリーはともにヒュンダイ・ドライバーの母国ラウンドであり、カレンダーがヒュンダイにとって有利なイベントに偏っているとの批難がなされているなかで、モンツァ・ラリーショーというトヨタのドライバーたちがいずれも未経験であり、ティエリー・ヌーヴィル、ダニエル・ソルド、セバスチャン・ローブがいずれも参戦した経験をもつイベントがカレンダーに加わればさらにヒュンダイにとって選手権の追い風になると言われている。

 トヨタのエルフィン・エヴァンスはできるだけ多くのイベントを走ることが選手権にとって重要だと感じており、モンツァ・ラリーショーを走ることになればそれを歓迎するとしているが、それがWRCにふさわしいイベントかどうかについては懐疑的だ。

「もちろん、できるだけ多くのラリーに参戦したいが、それは世界選手権にふさわしいラリーであって、飛行場のような単一会場で行われるラリーのことではない」とエヴァンスは語った。

「事情についてはわからないが、選手権のポイントを競うためにはきちんとしたラリーでなければならないと思う。ターマックラリーであれば、もちろん僕は大歓迎だが、モンツァ・ラリーショーのように同じサーキットを周回したりマシン同士がくっついてしまうのは、本当のラリーとは言えないと思う」

 セバスチャン・オジエも、エヴァンス同様にモンツァ・ラリーショーがWRCにふさわしい挑戦ができるイベントかどうか自信をもてないと認めている。

「モンツァ・ラリーショーと言われると、正直なところWRCのイベントとしては、単調な気がするね。僕は行ったことがないので、どんなラリーになるのかはわからないが、世界選手権のイベントにしては、ちょっとこじんまりしているように思う」