WRC2021/01/11

モンテ、18時門限の新しいスケジュールを公開

(c)Toyota

 1月21〜24日に開催が予定される2021年世界ラリー選手権開幕戦のラリー・モンテカルロは、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためのフランス政府の新しい夜間外出禁止令にもとづく新しいタイムスケジュールを公開した。

 89回目を迎える2021年ラリー・モンテカルロは例年の慣わしどおりに、真夏に最初のアイテナリーを公開したが、大雨による崖崩れやコロナウイルスの流行によってこれまでに数回にわたってコースを改訂しており、12月末に発表されたモンテ史上もっとも短い15SS/279.88kmというアイテナリーは今回、さらに14SS/257.64kmへと短くなっている。

 政府は2日、ラリー・モンテカルロのホストタウンであるギャップをもつオートザルブ県を含む東部の15県における夜間の外出禁止を強化、夕方の18時から朝の6時までは許可がないかぎり外出できないことを決定した。これを受けてモナコ自動車クラブ(ACM)はギャップを中心にスペシャルステージが構成される木曜日から土曜日までの3日間についてスケジュールをおよそ2時間前倒しするとともに、金曜日に予定されたモンオーバン・シュル・ルヴェーズ〜ヴィルボワ・レ・パンの2回目の走行をキャンセル、各デイともにすべてのスペシャルステージを18時より前に走り終えることができるようにスケジュールを見直している。

 21日木曜日のデイ1は、ヴォリュイ村のサン・ディスディエ〜コール(20.58km)とサン・モーリス〜サン・ボネ(20.78km)の2SS/41.36kmの一日となる。これら2つのステージは当初、ナイトステージとして行われる予定だったが、夕方18時に予定されたギャップでのスタートは夜間外出禁止の制限によって15時40分に変更となっていたが、さらに今回、2時間半もスケジュールが前倒しされることになり、13時10分のスタートに変更されている。

 22日金曜日のデイ2も一日のスケジュールを2時間7分前倒しにしてスタートする。最初のアスプルモン〜ラ・バティ・デ・フォン(19.61km)は現地6時1分のスタートとなる。そのあと、シャランソン〜ギュミアンヌ(21.62km)、モンオーバン・シュル・ルヴェーズ〜ヴィルボワ・レ・パン(22.24km)という2つの新しいスペシャルステージが続き、ギャップでのサービスを挟んでこの3ステージをふたたびループする計画だったが、17時40分にスタートする予定だったモンオーバン・シュル・ルヴェーズ〜ヴィルボワ・レ・パンの2回目の走行は新しい夜間外出禁止令に違反することからキャンセルとなり、5SS/104.70kmの1日となる。

 23日土曜日のデイ3も2時間47分前倒ししてギャップをスタートする。ギャップ南東のラ・ブレオル〜セロネ(18.31km)は6時30分の開始となる。それに続き、2020年イベントでオイット・タナクがクラッシュを演じたデュランス渓谷で行われるサン・クレマン〜フリシニエール(20.68km)がそれに続く。当初計画されたサンタポリネール〜アンブランのステージはキャンセルされ、2ステージのみでギャップへのサービスに入ることになる。これがこの週末における最終サービスとなる。このルートの見直しによって、この日の最終ステージとしてナイトステージとして行われる予定だったラ・ブレオル〜セロネの2回目の走行は15時すぎのスタートとなる計画だったが、これも今回、12時8分のスタートに早められ、いつもの年なら深夜にモナコへと到着するクルーたちは今回は16時すぎにはモナコのパルクフェルメにチェックインすることになる。3SS/57.10kmの1日となる。

 24日日曜日の最終日には今回、タイムスケジュールの変更はない。例年同様にノーサービスの一日となり、モナコ・ハーバーのタイヤフィッテングゾーンでのタイヤ交換でスタートするが、残念ながらクルーたちは伝統のチュリニ峠のステージには向かわない。10月にフランス南東部を襲った豪雨によってアルプ・マリティーム地域では洪水や土砂崩れで道路が寸断されるなどの被害が発生したためルートが変更されたためだ。最終日はモナコの北西に位置するピュジュ-テニエ〜ラ・ペンヌ(12.93 km)、ブライアンソネ〜アントルヴォー(14.31 km)の2つのステージを2回走る4SS/54.48kmとなり、2回目のブライアンソネ〜アントルヴォーの走行がパワーステージとして行われる予定だ。

 ラリー・モンテカルロは110周年の歴史のなかで初めて4日間にわたって観客がスペシャルステージやサービスパークへ立ち入ることを禁止しての開催となる。