APRC2018/06/23

ヤング、ピレリスタードライバーの復活を望む

(c)Mike Young Motorsport

 ニュージーランド出身のマイケル・ヤングは、母国のスター、ヘイデン・パッドンが、以前にWRCへの進出の足がかりにしたピレリスタードライバーのような若手支援プログラムを復活させてほしいと語った。

 ピレリスタードライバーは、2009年から2010年までFIAとピレリの協力で設立された世界的な若き才能の発掘と育成プログラムであり、オット・タナクやヘイデン・パッドンはこのプログラムでその存在を世界に知られることになり、WRCへ出場するチャンスをつかんでいる。

 WRCのピレリスタードライバーのプログラムがなくなってWRCアカデミーへのその役割が移ったあとも英選手権では若手発掘のピレリスタードライバーを継続し、2012年にはエルフィン・エヴァンスの支援を行い、彼もステップアップの機会を掴んでいる。

 25歳のヤングはクスコ・レーシングのトヨタ・ヴィッツ4WDでアジア-パシフィック選手権に挑戦するいっぽうで、ヨーロッパへの挑戦も視野に入れている。

「ピレリスタードライバーのようなプログラムが復活してほしいと願っている。これによって、以前は十分な資金を得られなかったドライバーが潤沢な資金でWRCでラリーができるチャンスが与えられていた。オット・タナクやヘイデン・パッドンのようなドライバーたちが皆このチャンスを手にしてトップへの足がかりをつかんだからね」とヤングは語った。

「今年はこれまでにも増してラリーへの準備を重視して取り組んでいる。よりパワフルなマシンに対応するためにフィットネスのレベルを上げたんだ、これまでよりも体力的に厳しいからね。今の時点では2018年APRCに集中しているが、もちろんヨーロッパでのラウンドにも挑戦したいと思っている。成り行きを期待して見守っていくよ」

 ヤングは、これまでにAPRCジュニアタイトルを3度獲得した(2013、2014、2016年)ほか、2016年にはAPRCプロダクションカップのタイトルを獲得している。

 彼は今季、クスコ・ヴィッツ4WDでAPRCに挑んでいるが、デビューシーズンのクスコ・ヴィッツ4WDにメカニカルトラブルが続いているため、開幕から2勝している炭山裕矢に選手権で大きく水を空けられているが、ニューマシンの開発が進んでいることに手応えを感じており、まだまだ総合タイトルを諦めていない。

「(タイトルの可能性は)まだ残っていると信じているよ。特にワンガレイでもNZではライバルのAP4マシンと同じくらい速いことを証明できたからね。すべてのイベントをフィニッシュできれば僕たちにもチャンスはあるはずだ」とヤング。

「クスコ・レーシングのトヨタ・ヴィッツは2リッターのエンジンとシーケンシャル・ギヤボックス、エボ10のブレーキ、クスコのサスペンションを搭載している。またTRDジャパンの技術支援も受けられるようになった。彼らの役割はエンジンのケアを担当し、情報を収集することだ。今年の僕の中心的な計画はこのマシンの熟成作業を行うことなので、とにかくラリーをフィニッシュし、将来にむけてマシンの開発を続けることが重要になる」