WRC2019/07/11

ラッピ復活を願い、シトロエンはエストニア参戦へ

(c)Esapekka Lappi Rally

 シトロエン・レーシングのチーム代表を務めるピエール・ブダールは、エサペッカ・ラッピが可能な限りベストなコンディションでラリー・フィンランドに臨めるように彼をラリー・エストニアに参戦させることを決めたと明かした。ラッピはチームに移籍以来不振にあえいでおり、ここで万全の準備を整えて母国ラウンドで最高の結果を出すことをチームは期待している。

 前戦サルディニアと次戦のフィンランドでは、平均速度が時速30kmほど上がるため、ラリー・エストニアは例年、ドライバーにとっては高速グラベルでのペースを掴むための絶好のチャンスとなっており、今週にオテパーをベースに行われるイベントには、ラッピをはじめ、選手権リーダーのオイット・タナク、Mスポーツ・フォードのエルフィン・エヴァンス、ヒュンダイからアンドレアス・ミケルセンとクレイグ・ブリーンが出場することになっている。

 シトロエンは2012年と2018年もエストニアをフィンランドにむけたセットアップを調整するイベントとして活用、昨年はマッズ・オストベルグがフィンランドで2位でフィニッシュするなど好結果につなげている。ラッピは2017年にフィンランドにおいてキャリア初優勝を飾っているだけに、ブダールは、エストニアの実戦テストでマシンとドライバーが十分な準備ができることを願っている。

「エストニアで予行演習する目標は2つある。まず、エサペッカに8月上旬のフィンランドで可能な限り最高の形を残してもらうために、同じ条件で十分なトレーニングを積んでもらうことにある。そして、もう一つの目標は、昨年のように、エストニアがもたらすさまざまな種類の道路において、これまでのテストセッションとも比較しながら、最良の技術的なオプションを選択することにある。ここで学ぶことが重要になる」とブダールは語った。

 エストニアにおいてヤンネ・フェルムとの100戦目のラリーを迎えるラッピは、その先に控える母国ラウンドのフィンランドをしっかり見据えている。

「ラリー・フィンランドは、じっくり観察するようなぜいたくな時間はない。ドライバーのギャップはとても小さく、スタートから全開のペースでついていかなければならない。フィンランドは僕にとってとても大切イベントなので、このエストニアの参戦でしっかり準備を整えることができるだろう。そして、エストニアの後にもテストをする日が予定されている」とラッピは語っている。

 ラリー・エストニアは、エストニア南東部のオテパーを拠点に、7月13-14日に15SS/151.98kmが予定されている。