WRC2018/11/19

ラトバラ、「もう勝てないと諦めていた」

(c)Toyota

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―ヤリ-マティ、おめでとうございます。2017年のスウェーデン以来、長い間、この時を待っていたことと思います。今の気持ちを聞かせてください。

ヤリ-マティ・ラトバラ:「僕は諦めていたと言わなくてはならない。今季は僕がWRCラウンドを勝利できなかった初めての年になると思っていた。このラリーの直前でさえ、あるジャーナリストが僕が(2008年の最初の勝利以来)毎年レースを1つは勝利していると告げたとき、僕は『知ってるさ!』と答えた。しかし、もし僕がラリーに勝利していなかったとしても、マニュファクチャラーズタイトルを獲得することはひとつの勝利のようなものだ。僕たちは今季後半に良い成績を収めた。必死に取り組んできたので、この勝利は本当に嬉しいし、落ち込む結果を見ないで済む。これは重要な勝利だった。だが僕たちにとってより重要なのは、マニュファクチャラーズ選手権だった」

―今日のウェットコンディションは、難しい課題でしたか?

ラトバラ:「もちろんだ。非常に難しかったよ。木曜の天気予報では金曜または土曜に雨が降る予定だったが、金曜日は雨が降らず、土曜日も雨が降ったのはスーパーSSだけだった。僕たちは最終日までソフトタイヤを温存し、そして雨が降った。今日の僕の唯一の目標は、ヘイデンとのギャップを広げることだった。自分たちがこのイベントに勝つとは思っていなかった。しかし、ウェットコンディションは僕の有利に働いて、攻めるチャンスを与えてくれた。そして上手くいっている時は良いタイムを得ることができた。だが間違った方向、非常に悪い方向に転ぶ可能性もあった。今朝のステージではうまく攻められたので、少し落ち着いた走りをしようと思っていた。その後、オイットが少し遅れた。ランチタイムにトミと話をし、僕たちはコントロールしたドライブを続け、大きなリスクは冒さないと言った。僕たちはマシンをフィニッシュさせる必要があった。午後は集中したが、110%の集中をしないとミスを犯すことは非常に簡単だった。いくつかの場所は他よりもスリッパリーで、非常にコースアウトしやすかった」

―トヨタの栄冠を守るというプレッシャーを感じていましたか?
ラトバラ:「(パワー)ステージをスタートした時、ステージを終えた時には自分がステージのヒーローとなっているか、またはゼロになっていることを知っていた。僕はゼロにはなりたくない。昨年、僕はサスペンションを壊したが、それはチャンピオンシップに影響を与えなかったので大丈夫だった。だが今回はタイトルを獲得するチャンスがかかっている。今年は失う余裕がないことを知っていた。悲しいクリスマスよりも、幸せなクリスマスを過ごしたかったからね!」

―昨年の埋め合わせとなりましたか?

ラトバラ:「その通り。完全にね」

―ミーカ、これは本当に重要な勝利でしたね。

ミーカ・アンティラ:「確かに僕たちにとって重要な勝利だった。僕は週末の間ずっと、唯一の目標はマニュファクチャラーズタイトルだと言っていたし、どうしてだかラリーの勝利については気にしていなかった。しかし、こういう終わり方も悪い気はしないと言わなければならないね!」

―トヨタのチーム努力は、信じられないほどでしたね・・・。

アンティラ:「そのとおり。ヤリ-マティと僕にとって、今年の前半はあまり強くなかった。しかしその後は、チーム全員が強力な結果を手にしてきた。僕たちとオイットとマルティン、エサペッカとヤンネがほぼすべてのラリーで、3台のマシンをトップ6に入れることができた。マニュファクチャラーズタイトルを獲得するためには、これをする必要がある。競争は非常に接戦だった。今日のラリーも、とても拮抗していた。エサペッカはフィニッシュしなければならず、そのことは僕たちの最終ステージに素晴らしいモチベーションを与えた」

 
―ヘイデン、非常にトリッキーなコンディションでミスを犯すことなく表彰台を獲得しました。この結果に満足していますか?

ヘイデン・パッドン:「今週末が成功してとても嬉しいよ。僕たちが空いたポジションを拾うのではなく、相応しい走りで表彰台を獲得したのは久しぶりのことだ。僕はコンディションが非常にスリッパリーな時はこれまであまり強くなかったので、少し緊張していた。ミスを犯さないように集中しなければならなかったが、それが上手く行った。フィンランドの前にマシンを自分の好きなように変えてから、僕はマシンと本当に一体になれていた。非常にスリッパリーな時でさえ、全く問題なかった」

―マシンに乗ったり乗らなかったりすることは簡単ではありませんか?

パッドン:「そうだね、結局のところ、自転車に乗るようなものだよ。ヘルメットをかぶって、走行区間に入り、適切なリズムを見つけ、適切なスピードを見つけたら、マシンで何ができるかを知ることができる。僕たちはこの仕事を何年もやっているから、言い訳は通用しない。僕はマシンに乗れるあらゆる機会を楽しんでいるよ」

―今日は気をそらすようなことがたくさんありましたが、プレッシャーはかかりましたか?

パッドン:「僕はすべてを忘れて、物事を単純化したいと思っていた。僕たちはヒュンダイのマニュファクチャラーズ選手権を助けたかった。将来がどうなるか分からないが、僕はかつての自分に戻って、いくつかのポイントを取れるよう立て直したいと思っていた。今回は正しい方向への良い一歩だった」

―あなたの今後の状況はどうですか? 他のチームとも交渉していますか? それともヒュンダイだけですか?

パッドン:「僕はヒュンダイに残りたいが、これが僕たちの最後のラリーかどうかはまだ分からない。今後2週間で何が起こるか見てみよう」

―セブ、今日のコンディションはとても難しいものでした。あなたにとってどうでしたか?

セバスチャン・マーシャル:「確かに限界ギリギリだったよ。とはいえ、昨年の日曜日も天気が大きく影響したので、全くもって予期せぬ事態に突入したわけではなかった。特定のコーナーが滑りやすいと知っていたので、どれがそのコーナーか分かるだろうと思っていた。しかし、木に向かってスライドしたとき、どれが最悪のコーナーか分かっていなかったことに気付いた。僕たちは集中する必要があり、それをした。そして良い仕事ができた」

―非常に大きな戦いから得られた結果に満足していますか?

マーシャル:「もちろんだ、間違いなく。僕たちはトルコの表彰台にいたが、それは激しいラリーで、ここほど楽しめなかった。昨日のステージは本当に素晴らしかった。そして、シーズンの終わり今季のハイライトの1つに到達できて、本当に満足だよ」

―マッズ、素晴らしいバトルが展開されていましたがあなたはその中にいましたね、ポディアムは嬉しいですか?

マッズ・オストベルグ:「嬉しいよ。この週末は本当にアップダウンが激しかった。金曜日はいいスタートが切れた、でも僕たちがすぐにコンペティティブに戦えたことに驚いている、クルマとはなかなか一体になれることがなかったし、僕にはちょっとした戦いだったけど、僕たちはそれをやりきった。土曜日になると、このラリーの中でも好きなステージが続いたものの、さらにトリッキーな状況になっていた。クルマのバランス感覚がつかめず、トリッキーな一日になってしまった。僕たちは間違ったタイヤ選択をしてしまうし、完璧な状態ではなかった、それがまたトリッキーだった。そして今日も目覚めるとトリッキーなコンディションがそこにあった、でもこれはまたチャンスがあふれた一日でもあることを僕は分かっていた。トリッキーなコンディションを見て喜んでいた。最初のステージではあまありうまくはいかなかった、僕のやりたいと思っていたことはヤリ-マティがやっていた。僕は彼と話がしたいんだ、彼がベッドから出た時に何をしたのかを知るためにね。だけどその後僕たちはリズムに乗ることができた。エサペッカがハードにプッシュしていたから、彼を抑えていく必要があった。コースアウトしながらもなんとかそれをやりきることができた」

―時々あなたは氷の上を走っているようでしたね・・・

オストベルグ:「氷のように感じたというか、実際それは雪のような感触だった。氷は意外といいけど、雪はもっと難しい。あれはちょっと故郷のウィンター・コンディションを思い出させた、ホイールを回し続けることができないと、トラクションを得ることができないというのを。でもこういったコンディションは北欧系のドライバーには相性が良かった。そしてニュージーランド人にもね、もちろん!」

―来年については何か話せることはありますか?

オストベルグ:「あまりないかな。分からない。これからの数週間で何か進展があるか様子を見ていくしかない。ここでいいラリーを走ることは重要だった、でも最終的な決定権は僕の掌中にはないんだけどね。僕たちはゆっくりと腰を下ろしてリラックスし、しっかりといい仕事ができた、それでチャンスをもらうことになれば、僕たちは確実にチームのために結果を出していくよ」

―トシュテイン、こんなにアップダウンの激しいラリーでしたがどうやってそんなに前向きにいることができるのですか?

トシュテイン・エリクソン:僕たちはただ次のステージのことだけを考えていた。今日は絶対にあきらめないように懸命に取り組んできた。ここで僕たちがやってきたことをすごく誇らしく思う。僕たちが最後に走ったステージはウェールズのグレートオームだったけど、それから2ヶ月後にオーストラリアに来ていきなりラリーをリードすることになった。これは僕たちが選手権で何ができるのか、その可能性を証明している」

―金曜日はとても満足できるものでしたね?
エリクソン:「そうだね!」

―あなた方がまた戻ってくることを強く願っています、このスポーツにこれだけ情熱を持っているあなた方を。

エリクソン:「ああ、もちろんだ。僕はスタートの前、今回は楽しんでいくと決めた。マッズに最大限の力を込めて言ったんだ、僕たちはポディアムをゲットできるってね」

オストベルグ:「スタートの直前でも彼は僕にポディアムを獲れってプッシュしてきたんだ。そして僕たちが常に笑顔を絶やさないように本当によく話してくれる、彼が気持ちを前向きにしてくれたよ」